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2012.04.11 (Wed)

リーネ×静夏 『月明かりの下で』/拍手返信

ストライクウィッチーズ劇場版見ました!4回!あと1枚前売り券残ってたりします(笑)。
さて、今日の更新は劇場版のワンシーンのアナザーストーリー的なものを。
主人公はリーネちゃん、ネタバレになるのでどんな話かとかはワンクッション置きます。
巷でとても高評価のペリーヌさんのあのシーンのあたり、リーネちゃん×静夏ちゃんです。
【More・・・】


ふっと、視界を遮られるような感じがして、私は目を覚ました。
実際には、私は眠っていたわけだから視界が遮られる、という表現は正確ではないのだけれど。瞼の上に落ちていた月明かりの色が変わったように感じられたのだ。
そっと、瞼を上げて、月明かりだけが頼りになっている部屋を見渡す。誰か、起きたのかな。
ぎし、というベッドがきしんだ音に視界を転じれば、そこはペリーヌさんのベッド。
ごそ、と、毛布をかき抱くようにした後、ペリーヌさんの肩は小さく上下し始めた。だからといって寝ているとも限らない気もしたけれど。
なんでそんなことを思うかといえば、完全に目を覚ます前に夢うつつで話し声が聞こえていたから。
ペリーヌさんの静かで優しい声と……多分、静夏ちゃんの戸惑った声。
夢じゃなかったのかもしれない。現に、静夏ちゃんのベッドはもぬけの殻だったから。

「ん……リーネちゃん……」

隣から聞こえてきた眠そうな声に、起こしちゃったかなぁ、と恐る恐る見てみれば、変わらず幸せそうな顔で寝ている、私の大切な友達。
寝言だったんだね、とほっと胸を撫で下ろす……撫で下ろそうとしてその友達の腕が自分の胸に巻き付いていることに今更気付いたりして、変わらないなぁ、なんて安堵の息をもらしてみたり。

-でも。

芳佳ちゃんの腕をそっと自分の胸の上から離して、体を起こした私は、芳佳ちゃんの髪の毛を撫でた。

-変わってしまったものは、確かにある-

例えば、ストライクウィッチーズが解散してしまったこととか。
例えば……今触れている頭には、もう二度とあのかわいらしい使い魔の耳が現れないこととか。

ずきり、と、胸が痛む。
自分で思いを馳せたことに自分で傷付くなんて、なんて私は弱いのだろうと、昔の自分が少し顔を出しそうになる。
ぷるぷる、と嫌な考えを追い払うように私は小さく頭を振った。
バルコニーにいるだろう静夏ちゃんはまだ戻ってこないみたい。私はそっとベッドを抜け出すと、自分の荷物の中に隠してあったものを取り出す。
それは、しろい、しろい、限られた人だけが着るもの。ずっとずっと、明日のために私が作ってきたもの。
ほとんど、完成しているのだけれど、あともう少しだけ。
裁縫道具を取り出すと私は月明かりを頼りに最後の仕上げをし始めた。

ちくり、ちくり。
白いその布に一針一針思い込める。だけど段々と思考が違う方へと向いてしまう。

本当はね。
あのとき。あなたの魔法力が失われてしまったとき。あなたが折れてしまうんじゃないかって思ったの。魔法力はウィッチの源だから。それを失うことは……まだ、私たちの年では考えもしないことだったから。でも、それは私だったらって話だった。
魔法力が暴走してたときだって折れなかったあなたの心は、やっぱり、折れなかった。それだけじゃなくて、それを力にするかのように今度は「お医者さんになる」という夢に向かって大きく踏み出した。
私の、一番の友達。眩しくて、誇らしい、私の光。少しでも力になれたら。そう思って作り始めたのがこの白衣だった。

ちくり。

「いたっ……」

そんな風に他のことを考えながらだったからだろうか、それともまだ裁縫の腕が未熟な自分が月明かりを頼りになんて無謀だったからだろうか、ここ最近では上達してきたのかあまりなかったのに針が私の指に刺さった。指を口に含むと少しだけ鉄の味がした。
ちょうどそのタイミングで、また視界に影が落ちる。

「大丈夫ですか?」

その声に顔を上げると、影の張本人……静夏ちゃんが目の前に立っていた。

「あ、うん、大丈夫」

私は笑顔で答えたけれど、静夏ちゃんは心配そうな顔をして屈んで私の手元を見る。

「針仕事をこんなところでされては危ないかと思いますが」
「うん、そうなんだけどね」

私は少し笑って応じる。本当はちゃんと灯りのあるところでやった方がいいって分かってはいるのだけれど、灯りを灯すのにだって、燃料が要る。ペリーヌさんは気前よく貸してくれるかもしれないけれど、物資の限られた戦時下でそれは憚られた。

「それは……」

静夏ちゃんの視線が私の手にある布へと向けられる。

「白衣、ですね」
「うん」
「宮藤少尉のための、ですか」
「うん、そうだよ」

照れからか顔が火照る自分がいる。

「まだ、出来上がってなくて。不格好かもしれないけれど」

もじもじ、と白衣をいじっていると、

「そんなことありません。とても、きれいです」

静夏ちゃんは力強く誉めてくれた。

「ありがとう。芳佳ちゃんも喜んでくれるといいんだけど」
「それこそ、大丈夫でしょう、宮藤少尉ですから」

即答に、私は思わず微笑んでしまう。
夕食作りの時に感じた、芳佳ちゃんと静夏ちゃんの溝のようなもの。それは取り越し苦労だったかなぁなんて思ったりもするけれど。一瞬だけやわらかかった静夏ちゃんの表情がきゅっとしまる。
溝は確かにあって、そしてそれを埋められるのはやっぱり芳佳ちゃんと静夏ちゃんだけなんだろうなぁなんて思いながら、私はまた一針、白衣に通す。白衣に目を落としたまま私は静夏ちゃんに声をかける。

「明日は早いよ、寝なくて大丈夫?」
「え、ええ、そうなのですが」

何か話したいことがあるみたいだと感じ取る。

「……」
「……」

だけど、静夏ちゃんは黙ったまま。さっきまでペリーヌさんと話していたことで引っ掛かることでもあるのかな。私はほとんど寝ていたけれど話していた内容はなんとなく想像できた。きっと。私は一度、脇のベッドで規則正しい寝息を立てている友を見遣る。気持ち良さそうに、寝ている。

「芳佳ちゃってね」
「……!」

そう、静夏ちゃんとペリーヌさんが話していたのは、きっと、芳佳ちゃんのこと。

「まっすぐで、眩しくて、強くて、優しくて」
「……」

静夏ちゃんは微妙な表情をしている。でも、構わず、私は続ける。

「だけど、自分のことはあまり顧みないんだよね。ブリタニアの時もそう、ロマーニャの時だって」

目を閉じれば、鮮明に思い出す事ができる。あの時の光景。
魔法力を失って落ちていく芳佳ちゃんと坂本少佐。魔法力がなくなってもなお、力強く笑ったあの顔を。

「軍規とか、そういうの全部放り出して、走りだしちゃうんだよ。その行動は全部、自分のためだけじゃない。誰かが困ってるから、助けたいから、守りたいから走り出せちゃうんだよ」

言わなくてももう、静夏ちゃんは、分かっていそうだけれど。

「今はもう、芳佳ちゃんは魔法は使えないけれど、それでも、芳佳ちゃんは走って行っちゃうだろうから。静夏ちゃんみたいに諌めてくれるような人が傍にいてくれるんだったら、ペリーヌさんも私も安心だよ」
「……!」
「芳佳ちゃんをお願いね」
「……はい」

こんな話が、静夏ちゃんの求めていた答えになったかどうかなんて分からないけれど、静夏ちゃんの顔は少し明るさを取り戻していた。

「明日は早いんでしょう?」
「はい……おやすみなさい、リネット曹長」

おやすみ、と返す。そして私は思い出したように静夏ちゃんに一言加えた。
この白衣のことは内緒にしておいてねって。


(fin.)


というわけで前日まで指なんともなかったのに白衣渡す当日に突然現れたリーネちゃんの指の包帯にはこんなお話があったとしたら面白いですよね!という小話でした。

自分で書いておいてなんですが、この後、がけ崩れの街で芳佳が白衣を破くシーンを静夏ちゃんはどんな気持ちで見つめていたのだろうとか考え出すと…。。あのシーンは初めて劇場版見た時は「あ、破きそう…宮藤、ほ、本当に破いちゃうの? あ、あ、うわぁ…」って思いながら見ていたものです。

↓感想ありましたらお願いします!↓




拍手返信です。遅くなりまして申し訳ありません!

幾分前にコメントにて「時空のたもと」の事を~の方
11話、読んで頂きありがとうございます!
頂いたコメントからひしと想いを受け取らせて頂きました!
作者冥利に尽きます…!
コメントありがとうございました!


番外編も楽しみにしてます。~の方
ありがとうございます! この設定はせっかくいろいろこねたので時間さえあればアナザー視点的なものを書いみみたいです。
劇場版、私も見ました! 「つづく」にたぎりました…カールスラント奪回戦あるあるですね…とても展開が楽しみですが、トゥルーデとかミーナさんあたりがそろそろ戦線離脱するのではと少し気になります^^;
コメントありがとうございました!


まさきさん
ストライクウィッチーズって、監督もよく仰ってますが本当に「王道」を意識して作っているんでしょうねきっと! だから原作にしても二次創作にしても「きっと宮藤が、501のみんながどうにかしてくれる」と信じて見ることができる作品になるんでしょうね。
WEB拍手のSSも読んで頂きありがとうございます! だいぶ前に書いたものなので拙くて恥ずかしい限りですがカルスラ三部作は自分でもかなり気に入っていたりします。
エイラーニャの虹のお話しに関しては、とある虹の写真展を見た時に「夜にも虹ってかかるんだ!」ってところから書いてみました。
まさきさんのご指摘通り、エーリカとトゥルーデってかなり絶妙なバランスですよね!劇場版でも二人の絡みは多かったですし、今後もすごく期待できそうです…。
たくさんの感想コメントありがとございました!


Novelテンプレート管理人様
ご指摘いただきありがとうございました。規約をきちんと解してなくて申し訳ありません。
テンプレートを変更する事で対応させて頂きました。昨日コメントに気付いたもので対応遅くなりました、何卒、ご容赦いただきたく存じます。
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