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2011.10.15 (Sat)

第五話『継がれる想い』

おはようございます。
わたしにできること9のサークルスペースが公開されましたね。
私はスの13「6月1日。」で出ます。
わたできサイト見ていて気づいたのですが、開催まで20日しかないのですね…。原稿間に合うか…いや、間に合わせます!
新刊は今現在、書いているシリーズものの完結編のつもりです。

今日はその5話公開します(1話2話3話4話

続きからどうぞ!
【More・・・】

扶桑にネウロイが現れて、ちょうど三ヶ月が経った。
ミーナ中佐が最初に扶桑に来たときに言っていた「扶桑戦線は三ヶ月という予測が立っている」という言葉が、その予測が正しいとしたら、もうすぐ扶桑は解放されるのだろうか。
そんなことを考え始めたそんな頃。
私はミーティングでびっくりするようなことを言われたのだった。



「これでミーティングを終わります」

いつも通りのミーナ中佐の言葉でその日のミーティングが終わろうとしていた。
みんなが席を立とうとしたそのとき。ミーティングルームの扉がコンコン、とノックされた。
501のメンバーは全員ここに集合している。と、すれば整備の方だろうか。ミーティング中に訪れるなど、よほどのことでも起こったのだろうか。そう私が訝っていたが、ミーナ中佐は「どうぞ」とドアの向こうの人物を部屋へ招きいれた。
その言葉を合図に部屋を立とうとしていた私たちも席へと戻る。
扉の外の人物はミーナ中佐の了承を得て、ゆっくりと扉を開けた。
その先にいたのは。

「土方さん!」

私は思わず声をあげてしまった。

「失礼します」

土方さんは敬礼をミーナ中佐にして、そのまま、すっと書状を渡した。
なんだろう? と興味津々で見ているのは私くらいのもので、坂本さんなどは「来たか」などと呟いているのが聞こえた。
いったい、何が始まるのだろう?
書状を開封したミーナ中佐は「確かに。ありがとう」と言うと、土方さんはそのまま再度敬礼して部屋を出て行った。
久しぶりに土方さんに会えたので少し話をしたかったとも思うけれど、今はミーナ中佐が受け取った書状が気になる。

「宮藤軍曹」
「は、はいっ」

予想外に自分の名前が、しかも階級付で呼ばれたものだから、私はびしっと姿勢を正した。

「こちらへ」

ミーナ中佐に促され、ミーナ中佐のいる壇上に上がると、ミーナ中佐は持っていた書類を私に手渡した。

「おめでとう、略式になるけど、昇進の通知よ。今日から曹長になるわ」
「えっ、私が……」
「あなたの活躍を思えば当然のことよ。むしろ遅すぎたくらいだわ」

そんなことを言うミーナ中佐の言葉が上手く頭に入ってこないまま、私は通知の書状を前に立ち尽くした。

……私は、軍隊にいるんだ。

そんなことを今更実感している自分がいた。
そして、同時に思う。

戦争は嫌いだといっていた自分はどこへ行ってしまったのか、と。

変わってしまったのだろうか。
自問自答する。
すると、すんなり答えは出てきた。
変わってなんかいない。やっぱり戦争は嫌いだし、嫌だ。だけど、みんなを守りたい、

その気持ちは確かにあって。
そして聞こえてきた、拍手の音。みんなが祝福して拍手を送ってくれている。
私はその中の一人に目を向けた。こうして、私に守る機会を、力を与えてくれたその人は……坂本さんは、目を細めるようにして私を見ていた。
坂本さんが、みんなが喜んでいることなら、私も喜んでいいのかなとそんなことを思って、私はそこで初めて頬を緩めた。

「ありがとうございます」

ふと、リーネちゃんを見ると、リーネちゃんも微笑んでいた。
そのリーネちゃんがふと、思いついたような顔をして、挙手をした。

「あの、ミーナ中佐」
「何かしら、リーネさん」

ミーティングでリーネちゃんが挙手をするなんて珍しいことだ。
傍らにいたペリーヌさんも何事かとリーネちゃんに注目している。

「芳佳ちゃんの昇進祝いを兼ねて、お茶会をしませんか?」

瞬間、場の雰囲気が和やかなものになる。

「リーネさん、あなた、このタイミングで……」

ペリーヌさんがたしなめるように言うものの、ミーナ中佐は「いいんじゃないかしら」と応じた。そうして、お茶会の席が設けられることになったのだった。


***


「なんか、お茶会って久しぶりな気がするね!」

そう言ってお茶会の準備の手伝いをするルッキーニちゃんの方が珍しい。
それだけ久しぶりのお茶会が嬉しいってことなんだろうと私はくすりと笑みを漏らした。
ふと横を見れば、リーネちゃんが忙しそうにお菓子の準備をしている。
その横にはペリーヌさん。

「せっかくだから扶桑茶のお茶会にしよう」という話になって準備を買って出てくれたのはいいけれど、お茶っ葉の扱いに困っているようだ。

「あの、良ければ私が淹れますよ……?」
私が言うや否や、
「あなたの昇進祝いでしょう! あなたが淹れてどうするんです!」
と、怒られてしまった。語調は荒いけれど、その優しさが素直に嬉しい。私は邪魔にならないよう、でも、すぐにヘルプに入れるよう、厨房の端に寄った。

「芳佳ちゃんらしいや」

くすくす、とどうにも所在なさげな私を見て笑うのはリーネちゃん。そしてペリーヌさんの方を見て言う。

「貸してください、ペリーヌさん。紅茶と一緒ですよ」
「あ、ありがとう」

そんなやりとりをするペリーヌさんもリーネちゃんを目を細めて見守る。
そしてもう一人、珍しく手伝いを買って出たはずの子の姿が見えないので視線を巡らせてみれば。

「何やってるのかな、ルッキーニちゃん……?」

私は、今まさにつまみ食いをしようとしていたルッキーニちゃんの後ろに立ち、ミーナ中佐よろしく声をかけたのだった。


「では、みなさん、お茶は行き渡っていますか?」
「「はーい」」
「それでは、改めて。宮藤さん、昇進おめでとう。いただきましょう」

そんなミーナ中佐の合図で始まったお茶会。
久しぶりの和やかな雰囲気が心地よい。
ハルトマンさんの怪我以降、なんとなく滞っていた501に新しい風が吹いたみたいで、それの一助になれたのだとしたら、自分の昇進も悪くないかな、なんて変なことを思ってみたりする。
同じテーブルにはルッキーニちゃん、リーネちゃん、ペリーヌさん、エイラさんにサーニャちゃん。
お茶請けとして出した手製のおはぎをおいしそうに食べるみんなを見ていたら、もっと扶桑をゆっくり案内してあげたいとふと思った。
せっかく、扶桑に来てくれたのだから、私の国のことを少しでも知ってもらえたら。
こんな非常事態でなければなぁ、そう思うと同時に、不謹慎だけど、こうしてまたみんなで集まることができて嬉しいと思っている自分がいた。

向こうのテーブルではシャーリーさんが何か言ったのだろうか、バルクホルンさんが顔を真っ赤にして怒鳴っている。それをまぁまぁ、となだめるハルトマンさん、にこにこと見守るミーナ中佐と坂本さん。
心地よい空気に身を委ねる。

だけど、と再びハルトマンさんを見る。
ハルトマンさんの頭にはまだ包帯が巻かれている。
治癒魔法自体は間に合ったのだけれど、まだ傷跡は残っているし、アジアの気候が合わない体質が改善されたわけではない。だから、今は非戦闘員として基地に控えていた。

戦争はやっぱり嫌だ、そんな思いを抱いた刹那。

かんかんかんかん!

警鐘が鳴る。私の思いを否定するかのように。

「ネウロイ出現! 総員、配置について!」

ミーナ中佐の声を合図に私たちはいっせいに立ち上がる。



今日は私も戦闘要員だ。格納庫へと走る。
その、途中で。

「坂本さん?」

坂本さんが誰かを待つようにして壁に背を預けているのを見付け、足を止めた。

「宮藤」

坂本さんは私の姿を認めると背中を壁から離した。どうやら私を待っていたようだ。
手には烈風丸とは違う刀。初めてブリタニアに行った時に坂本さんが使っていた刀だ。

「頼みがあるんだが……」

ネウロイが現れているこの状況下で、あえて引き止めるくらいだから相当のお願いだろう、と私は姿勢を正した。

「はい、なんでしょう?」

坂本さんにしては歯切れの悪い口調に疑問を抱きつつ、次を促す。

「これを、持っていってくれないか」
「これを……」

坂本さんは手にしていた刀を私に差し出した。

「……お前ならもう、これを使いこなせると思ってな」
「……」

私は刀を受け取りまじまじとそれを見つめた。
無駄なものを一切省いた、無骨だけどだからこそ美しい、そんな刀だ。
そして、刀は……魂だ。
坂本さんは魂を私に預けようとしてくれている。
きっと。きっと。坂本さんはまだ飛びたいはずだ。誰よりもこの空を愛しているのだから。
だけど、飛べない。
だから、気持ちだけでも、魂だけでも一緒に。
鈍い私でも、それくらいはわかった。

「無理にとは言わないが……」

視線を外す坂本さん。眼帯をしていない坂本さんを私はまだ見慣れることができない。
魂を預けてくれるなら。しかも、私を選んで、預けてくれるなら。
私はそれに応えたいと、強く思った。

「わかりました、お借りします!」

私は強く言い放つと、そのまま、坂本さんがそうしていたように背中に背負った。

「……よく似合う」

そう言って目を細めて私を見る坂本さんはとても嬉しそうで、私も笑みがこぼれた。

「行って来い、宮藤!」
「はい! いってきます! 坂本さん!」

そう言って私は格納庫へと走り出した。


***


「すみません、遅くなりました!」

私は格納庫から震電を履くとすぐに空へと舞い上がった。

「これで全員ね」

みんなより遅れて空に上がった私を咎めることなく、ミーナ中佐は静かに言う。
一瞬、私の背負っていた刀に目をやったようにも見えた。
きっとミーナ中佐には全てお見通しだと思う。だから、私も余計な説明は加えない。
ただ、お互い、目が合った瞬間に頷き合った。それで、全部通じる。

「フォーメーションの確認ね。ネウロイは二体。中型のようね。向かって右手にはエイラさん、ペリーヌさん、シャーリーさん、ルッキーニさん。左手には宮藤さん、リーネさん、トゥルーデ、そして私で当たるわ」
「「了解!」」

各ロッテが散開する。
私もロッテを組むリーネちゃんと頷きあって指示された方向へと震電を駆る。
背中に背負った刀の重さが逆に私のストライカーを軽くする。
坂本さんがついている。どこまでだって、飛べる気までした。

「いくぞ……!」

その気合いと共に攻撃をかわし、反撃に出ての繰り返しをする。
もう一体の方でも激しい戦いが繰り広げられているようだ。
ルッキーニちゃんとシャーリーさんの組み合わせの相性の良さはもちろん折り紙付だったわけだけれど、より戦果を上げようとしているのはペリーヌさんとエイラさんのロッテだ。
使いどころの難しいペリーヌさんのトネールだけど、エイラさんがうまく未来予知で避けるお陰で気兼ねなくトネールを撃てるようで、間もなくして、ネウロイから黒煙が立ち上ぼり始めた。

あちらのネウロイはもうすぐ片付くだろう。と、私は目の前のネウロイに集中する。
こちらはミーナ中佐の的確な指示の下、バルクホルンさん、リーネちゃん、私が波状攻撃を仕掛ける形だ。
ネウロイの体にひびが入り始め、もう少しでコアが露出しそうだ、そう思ったときだった。
ばりん、と。そのひびが破裂した。
否、ひびだけではない。ネウロイそのものが「自爆」したのだ。

「……っ」

咄嗟に味方全員を包むような大きなシールドを貼ってその破片を防ぐ。けが人はいない。けれども。

ガガガッ!

すごい勢いでネウロイの破片が眼下の家屋に降り注ぐ。
家屋からは大勢の人たちが逃げ出してきた。
破片が降り注いだせいで火が起こり、家屋が燃え始める。

「あ、あぁ……」

私のせいだ。ちゃんと、もっとちゃんと守れていたら。
助けを呼ぶ、扶桑の人たちの声がガンガンと耳朶を打つ。
助けて、たすけて。声が。
そうして、やっと私は実感したのだ。
私は扶桑にいる。扶桑で戦っている。「死にたくなければ国へ帰れ」ができない、そんな状況に自分はいるのだ、と。
自分はリーネちゃんやルッキーニちゃんの状況をちゃんと理解していなかった、ペリーヌさんやミーナ中佐の気持ちもちゃんとわかっていなかった。
そんな自分の無知さを今更ながらに突きつけられた気分だった。

ぎり、奥歯をかみ締める。
後悔するのは、いつでもできる。
今。今、自分にできることは。

私は背中の刀を抜刀した。
すらり、直刃のその刀は余計な飾りなどなく、実用性を極限まで求めた、無駄のない作りをしていて、初めて手にしたときのように元の持ち主の性格を思わせた。

―坂本さん、見ていてください―

一呼吸置くと、

「うわあああああああ!」

私はペリーヌさんたちが相対していたネウロイへと突撃した。

「宮藤さん!」

突然の加勢にペリーヌさんが驚いた声を上げる。
かまわず突撃した私に、そのネウロイは熱線を放った。
もう虫の息だろうと油断していただけに、シールドを張るのが遅れる。
しまった。そう、思って目を閉じたときだった。

キンッ。

何かを跳ね返す音。いつまでも自分を貫く熱線の気配がしないのでそっとまぶたを開くと、そこには緑色の髪の毛をした少女が立っていた。

「全くもー、芳佳は無茶するなぁ。刀だけでなく少佐の性格まで受け継いじゃってるんじゃないの」
「ルッキーニちゃん……」

そして、その横に駆けつけていたペリーヌさんも口を開く。

「あなたって人は、どれだけ人を心配させれば気が済みますの」
「ペリーヌさん……」
「そこが芳佳ちゃんのいいところでもあるんだけどね」

さらにその横に駆けつけていたのはリーネちゃん。
三人とも、それぞれに怒った表情と、苦笑いの表情とを浮かべている。

「ごめんなさい……」
「分かれば、いいんですのよ」
「ペリーヌってば素直じゃないなー。一番最初に飛び出したのペリーヌじゃんか」
「なっ……これはその……」
「うふふ……」

ペリーヌさんと、それを小突くルッキーニちゃんを見て、リーネちゃんが笑う。
その姿に、肩の力が抜ける。私の様子を見てか、ペリーヌさんが声をかけてきた。

「とにかく。少佐のその刀を持っているからにはあなたに負けは許されないと思いなさい。それは我がガリアを解放した際に坂本少佐が持ってらした刀なのですから」
「本当に素直じゃないな、つるぺた」
「誰がつるぺたですか!」
「結局ね、みんな何が言いたいかって言うと」

収拾がつかなくなりそうになったところで、リーネちゃんが切り出した。

「一人で、無茶なんてしないで。私たちはチーム、ううん、家族でしょう」
「家族は助け合わなきゃ。芳佳にはロマーニャでいっぱいお世話になったもん」
ルッキーニちゃんの言葉を、ペリーヌさんが継ぐ。
「今度は、私たちの番ですわ」
「……ありがとう」
力強い三人の眼に、私は同じく力強く頷いた。

ネウロイも力を振り絞っているのか、容赦なく熱線を浴びせかける。
それは無差別な攻撃で、しかし無差別だからこそ、読みの難しい攻撃だった。

「……宮藤さん、左!」
「……っ」

私は突如聞こえた声に反応し、左から迫っていた熱線をシールドで防いだ。

「危なかった……」

そして声の方向を見ると、ミーナ中佐がにこりと微笑んでいた。

「シャーリーさん、右斜め上方向!」
「ラジャー!」

ミーナ中佐の指示でシャーリーさんはひらり、と迫っていた攻撃を避けた。
そうか、ミーナ中佐の固有魔法は三次元空間の把握。
その指示の的確さは折り紙付というわけだった。
でも、固有魔法をずっと使っているからか、ミーナ中佐の顔色はあまり良くない。
早く決着をつけなくては。
私はそう思い、震電を再び加速させる。
今度は一人での攻撃じゃない。リーネちゃんが、ペリーヌさんが、ルッキーニちゃんが……みんなが一緒だ。
リーネちゃんの弾がネウロイのコアを露出させた。
誰より思いをはせるのはこの刀の元の主。

坂本さん、あなたも一緒です。

「はぁぁぁぁぁ!」

気合を込めて、白刃を振るう。

キンッ。

特有の音をさせながら、ネウロイのコアが破壊した。
コアを破壊した軌道をくるり、と曲げ、私は速度を落とし、回頭する。
白くなり消えていくネウロイにふっと安堵のため息をついた。
私にできること。それは目の前にあるものを守ること。扶桑を守って、そして。

「宮藤……」

そう声をかけてくるのはバルクホルンさんだ。
本来であれば、バルクホルンさんたちはここにいないはずの存在だ。
だって、バルクホルンさんたちの故郷……カールスラントはまだネウロイの占領下にある。
こんな東のはずれの国に来るくらいなら自分たちの国を取り返したいに決まっている。
「今度は私たちの番」というペリーヌさんたちの言葉を思い出して、私は、バルクホルンさんに笑って見せた。

「バルクホルンさん。扶桑が解放されたら……次は私の番。カールスラントに連れて行ってくださいね」
「……え?」

突然の話にバルクホルンさんは何の話だ、と疑問符を飛ばす。

「バルクホルンさんたちの国を取り返すお手伝いをさせてください」

バルクホルンさんはきょとん、とした顔を見せた。そして、すぐににやり、と笑う。

「宮藤も言うようになったな」

その笑顔が嬉しくて、私もにこり、と笑顔を返す。
そうして誰もが戦闘終了で気が緩んでいたそのときだった。

ゴゴゴゴゴゴ!

轟音が突如として鳴り響き始めた。
地から響くような音、しかしそれは地からではなく、空から現れた。
黒く、鈍く光るネウロイと同じ色をした巨大な塔のようなもの。
それは高速で湾のすれすれ、砂浜に突き刺さったのだった。

「これ、は……」
「いったい、なんですの……」

リーネちゃんとペリーヌさんも呆気にとられている。
その塔から、黒いものが続々と出てくる。

「ネウロイだ!」

エイラさんの緊張した声が聞こえる。

「こんなにたくさん……!」

シャーリーさんもいつもの余裕のある声ではない。
戦闘終了直後だ。全員が魔法力をぎりぎりまで行使していた。
留まるべきか退くべきか。判断をしなければいけないのに、動き出すことができない。
指示を出してくれるはずのミーナ中佐の声がない。

『総員、一時撤退!』

そんな私たちに道を示したのはインカムの声だった。

「坂本さん……! でも……!」

咄嗟に私は坂本さんに異を唱える。眼下に広がる炎に包まれる民家。ネウロイの塔がこんなところにあってはひとたまりもないだろう。今、私たちが、なんとかしなければ。

『落ち着け、宮藤。私もこいつらを野放しにするつもりはない。一旦、横須賀基地の他のウィッチに援軍を頼んだ。戦力的に厳しいかもしれないが、被害が広がるのは防いでくれるはずだ』
「……了解」

私は了解の意を伝える。
他のメンバーもしぶしぶといった感じで基地への帰路に着く。私たちと入れ替わりに戦闘空域に入ってきたのは私とは違う軍服の扶桑人たち。あれは陸軍の人たちだろうか。

「あとは我々に任せろ!」
「501の皆さんは一旦、戦域を離脱してください」

よくよく見れば、私にお父さんの手紙を渡してくれた人もいる。確か名前は、諏訪さん。

「行こう、撤退だ」

バルクホルンさんが私の傍らで撤退を促す。その声は固い。
私は再度、ネウロイの塔を見上げる。
その巨大さ、まがまがしさ。ブリタニアやロマーニャで見たネウロイの巣と酷似しているそれに、私は扶桑戦線の終わりが近いことを予感していた。

でも、もう一つ、このときの私は気づくべきだったんだ。
ミーナ中佐が、私たちの背後で小さくよろめいていたことに。

(to be continued)


と、いうわけで5話でした!
あと6話、全部で11話の予定なので、ここから本腰入れねばです。
坂本さんが飛べなくなったときに宮藤にその刀を預けるなんてシーンがあったら私的に燃えるなぁ…なんて思いながら書きました。

感想ありましたらよろしくお願いします!





拍手返信です!

greifさん
こちらでは初めまして!
シャーゲル合同誌お読みいただきありがとうございました!!
シャーゲル合同誌書くにあたりどんなお話にしようかな…と、2期4話を見返したときにぽっと浮かんだお話でして…面白かったと言っていただけて嬉しかったです!! 何せ、1つのストライカーユニットを2人で、なんて構図的に無茶もいいところですから…。でも、そこは挿絵のあまのさんのおかげでまとまることができました…!
タイトルはかなり悩んだのですがgreifさんが仰るとおり、「ドイツ語ならかっこよくなる気がする…!」とつけてみました(笑)!
既刊などにつき、興味を持っていただきありがとうございます!!
委託に関しては申し訳ありません、今のところ予定はないのですが、ゲルトアンソロを含めまして新刊はわたしにできること9とWitches leave!3に持っていく予定です!
風邪に気をつけてがんばります、コメントありがとうございました!!


まさきさん
シャーゲル合同誌お読みいただきましてありがとうございます!
ジェットストライカーの話はシャーリーだけにはかせるという展開も考えたのですが、やっぱりシャーゲルだし、と2人に履かせてしまいました!
この時点でのトゥルーデは「上がり」に対して少しナイーブになっているという自分設定がありまして、だからシャーリーとの共同戦線にもあっさり承諾してもらいました…(笑)!
おお、15万hit踏まれましたか! 記念写真までw なんだか嬉しいです!
私も原稿でわたわたしていまして、まさきさんの思いついたときに拍手コメント等でリクしていただくという形は大変ありがたいです。
501以外のキャラでもOKです、ちゃんと書けるかどうか、若干自信がありませんが(爆)、あまり書いたことない設定というのは新しい発見があって燃えます!
ABのSSも読んでいただきありがとうございました。
ABの中でもこの組み合わせは書いたことなかったので少し新鮮な気持ちで書かせていただきました!
体調に気をつけまして原稿のラストスパートがんばります!
コメントありがとうございました!
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