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2011.10.08 (Sat)

岩沢×音無『Love song』

拍手コメントありがとうございます!!
誠に勝手ではありますが、返信は次の時にさせていただきます、すみません!!

さて…たいへん遅くなりました…。
14万hitのリクエストをいただいたのでそのSSです。
Angel beats!より岩沢×音無です。

リクエストの内容は「転生後 岩沢片思い→告白→恋人同士でその後」とのことだったのですが、勝手ながら「転生後、付き合うまで」にさせていただきました。
遅くなった事と合わせましてお詫びいたします。
このリクエストをいただいたときにぽっと浮かんだのが岩沢が歌うラブソングだったので…。
リクエストしてくださった方がまだ見てくださっているかわかりませんが、お気に召さなかった場合、書き直します!ので、遠慮なくどうぞ…。

それでは、続きからどうぞ!
【More・・・】




ああ、どっかおかしくしたのかな。
最近、理由の分からない動悸に襲われながら思うのは、そんなこと。


『Love song』


そいつと出会ったのは初めてのライブでのこと。
高校一年生になった私は「高校生になったらバンドを組もう、な! な!」というアツいひさ子の勧誘に折れてバンドを組むことになった。
同じ中学だったひさ子、そして一学年下の入江と関谷も一緒だ。
バンド名の理由はなんとなく。
不思議とみんなの意見が一致してこんな名前になった。
初めて聞いた気がしないな、なんてひさ子は笑っていたっけ。
まだ結成したばかりのバンドでの初ライブとなれば人数がなかなか集まらないものだ。
それは私のバンド―ガルデモでも同じことだった。
何個かのバンドが入れ換わりでする、小さなライブ。ありふれた、ライブ。
でも、そいつは最初から最後まで立ち尽くすようにして私達の演奏を聞いていた。
だからすごく印象に残ったんだろうな。

「おつかれさまです!」
「ああ、おつかれ」

楽屋裏でそう、労いの言葉をかける。

「初めてのライブにしては上手くいったと思う。最初はまばらだった人が、どんどんと前に出て来て聴いてくれたし」

とはひさ子の言葉。

「リズム隊もすごく良かった」

ひさ子ばかりに苦労を掛けていられない。
よくやった、と伝えようとするけれど、どうにも堅苦しくなってしまう自分に言った後で少し苦笑する。
音楽だったらもっと楽なのにな。
その気持ちを汲んでか、ひさ子がぽん、と背中を叩いてくれた。
関根や入江にも伝わったようだ、まだ紅潮している頬を思い切り緩めていた。

「じゃぁ、乾杯しましょう!」

関根がコーラの缶を四本出してくる。
まだ、冷たい。
ライブが終わった後に買いに行ってくれたのだろうか。

「これは入江のおごりです!」
「違うってば! やめてよ、痛いよ四百八十円!」

はは、と笑いながら、私はコーラを受け取り、プシュ、と良い音でもってプルタブを上げる。

「それじゃぁ、ガルデモ初ライブ成功を祝して!」
「「「「かんぱい!」」」」

まだ他のバンドが終わるまで時間がある。バンドの演奏が終わりきってから打ち上げだそうだから0次会のような打ち上げになった。
そうして談笑していると、楽屋の扉がこんこん、とノックされた。
ちらり、と時間を見る。
まだ私達の次のバンドは演奏をしている時間だ。
それに、楽屋に入るのに出演者はノックなどしないだろう。
この楽屋には他のバンドの人たちもいるし、中には何度もこういったライブをしていてファンがついている人たちもいるからそういうファンが訪れたのだろうか。
私はそんなことを思いながら、扉に一番近かったこともあって、何の気なしに扉を開いた。

「えっと……」

扉を開いた先にいたのは予想外にも同い年くらいの男の子だった。予想外というのは、てっきりこういう楽屋に来るのは女の子だろうと勝手に思っていたから。それに、こいつは、私たちの演奏のときにずっと立ち尽くして聞いてくれていたやつだ。
勇気を出して扉を開いたのはいいけれど、どうしようともじもじしているその男の子に私は少し笑うと、「どうしたの? 目当てのバンドがあるなら呼んでくるけど?」と聞いた。
そうしたら、男の子は意を決したように私を真っ直ぐ見た。

「えっと、今日の演奏、すごく良かったです! おれ、こういうライブハウス来るの初めてなんだけど、すごく感動しました!」
「え」

予想外の言葉に私は呆気に取られる。
だってそうじゃないか。
私達のファンなんて、予想もしていなかったんだから。
今日、初めてライブしたのに。

「えっと、それで、おれ、こういうのの勝手とか分からないんだけど、このバンドがまたライブするなら見に行きたいなって」
「あ、ああ」
「次の予定は決まっているんですか?」
「え、えっと」
「いわさわー?」

私がその男の子の勢いにのまれていると、背後から声がかかった。ひさ子だ。

「あれ、知り合い?」
「ううん」
「じゃぁ、ガルデモのファンかー? それとも岩沢のファンかー?」

少しいたずらっぽい顔でひさ子はその男の子の事を見回す。
男の子が顔を赤らめたので私もつられて赤くなってしまった。
いやいや、なんでそこで赤くなる。

「ガルデモの、ファンです」
「そっかー……ってえぇ!? ガルデモの! 今日、初ライブなのに……これは嬉しいな、岩沢」
「あ、ああ」

少し残念な気持ちになったのはなんだったんだろう?
空返事で答えた私に気付かず、ひさ子は続ける。

「それで?」
「それで、次のライブ参加の日程を知りたいんだって」

代わりに答えるとひさ子は頭をがしがしとかいた。

「あー……次の予定はまだ決まってないんだ」
「そうなんですか……じゃぁ、ホームページとかは?」
「ほーむぺーじ……そんなハイテクなものはうちらは分からなくって」
「そうなんですか……」

落胆した様子の男の子を見て、ひさ子はぴん、と来たような顔をして話を続ける。

「時にきみ、名前は?」
「えっ……音無 結弦です」
「じゃぁ、音無! 音無はパソコン関係強いか?」
「まぁ、多少は……友達に詳しい奴がいるし」
「そっか、じゃぁ」

ぐい、と私はひさ子の袖を引っ張った。後ろを向かせて小さな声で抗議する。

「ちょっと、ひさ子。どういうつもり?」
「いやぁ、逆ナン?」
「はぁ?」
「ってのは冗談だけど、せっかくだし、ホームページ作ってもらえたらよくない? ライブの幅が広がるかもよ、もっと沢山の人に岩沢の歌を聞いてもらえるんだよ?」
「いや、別にそういうのには興味は……」

音楽さえできれば、私はそれで。
でも、音楽以外のことはひさ子に任せてある。ひさ子がそういうなら、まぁ。

「まぁ、いいや、ひさ子に任せるよ」
「そうこなくっちゃ」

そう言うと、ひさ子はくるり、と彼に向き直った。

「と、いうわけで、私達のホームページを作ってくれないかな」
「何が『と、いうわけで』なのか分からないんだが……」
「まぁまぁ。つまりは、だ。音無、もしよかったら私たちのHPを作ってくれないか?ただでとは言わない。 何か報酬は出そう」

『もしよかったら』の使い方が全くもっておかしいが、ひさ子は得意気だ。

「いや、別に報酬なんて要らないけれど」
「じゃぁ決まりだな。連絡役は……と、私の携帯、電池切れてたんだった。岩沢、よろしくな」
「はぁ?」

てっきりひさ子がやると思ってただけに急に振られた話に私がついていけずにいると、じゃ、よろしく! なんて言葉を残してひさ子は関根たちの方へと戻っていった。
私と音無はというと、完全においてけぼりを食らった形になって、ぎこちなくも携帯のアドレス交換をしたのだった。


***


それからしばらくして。

「今日のライブもみんなよくやったな!」

ひさ子は今日もみんなに激励の言葉を投げ掛ける。

「結構人入ってましたね」

関根と入江がそれに応じる。

「やっぱ、ホームページの効果かね」

にやにやとしながら私の方を見てくるひさ子を軽く睨み付ける。

「おつかれ」

それだけ言って私はライブハウスを出た。
外に出るとしん、と冷えた空が私を迎えてくれた。
バンドを結成してもう季節が三つ過ぎて、いつの間にか冬になっていた。
東京では珍しく、今日は雪が降るほどの寒さになると天気予報は告げていた。
夜も遅くなると身体の芯まで沁みてくる寒さと、音無き音。
それを嫌いだと言う奴もいるけど、私はそれが好きだった。

「少し、演ってくか」

私は気が向いて駅前でもなんでもない公園に向かうと、背負っていたギターバックのジッパーを下げた。
バンドもいいけれど、たまには一人で弾いてみようか。ちょうど練習中の歌があるから。お客が来なさそうなこの公園なら都合がいい。
私は雪がうっすらと積もり始めたベンチの前に立って歌い始めた。
バンドの仲間が聞いたらきっとどうしたのかと問うてきそうなその歌を。
そして、絶対に聞かれてはいけない奴がいるその歌を。
思いを込めて、歌う。
一番を歌い終わって息をついた。自分の白い息がそっと吐き出される。
まだこの曲は一番しかできていないから。どうしても二番を書けなくて今は絶賛スランプ中ってわけだった。
ぱちぱちぱち
控えめな音が聞こえて、私は驚いて音がした方を向いた。
そこには。

「音無……」
「いい曲だな」

私が一番この歌を聞かれたくなかった奴はそんな風に言って拍手をやめ、穏やかに笑った。
瞬間、私はカッと顔が赤くなるのを感じる。
聞かれた、聞かれてしまった。
逃げ出したい衝動を必死にプライドで押さえつける。

「でも珍しいな、お前がラブソングを歌うなんて」

その言葉にびくり、と私は体を震わせた。
そうなのだ、こいつは、ぼんやりしているようで実は鋭い。
核心を突かれていよいよもって私はその場から動けなくなる。

「帰ったんじゃ、なかったのか」

捻り出すように場を繋いだ言葉も、自分のものではないかのように頼りない。

「帰ろうと思ったんだけどな。歩いていたら聞きなれたギターの音が聞こえてきたから。しかも聞いたことのない曲だ。これは岩沢の新曲かも、こっそり聞こう、そう思っていたんだけど」

そこで、音無は一旦言葉を切った。

「こんなにいい曲なんじゃ、思わず拍手が出ちゃったよ」

練習中だったんだろごめんな、邪魔して。頭をかきながら言う音無のことを私は直視できなかった。

「それ、まだ作り途中なんだよな。一番しかなかったもんな」

更に音無は核心をついてくる。あぁ、やめてくれ。顔が燃え上がるように熱い。

「さっきから黙りこんでどうしたんだよ、岩沢。新曲聞いたこと怒ってんのか?」

そう言って、音無は私の顔を覗き込んできた。

「うわ、おい、お前顔真っ赤! こんな寒いのに制服に何も着ないでいるからだ!」

音無は着ていた上着を私の肩にふわりとかけた。

「ほら、もう遅いから帰ろうぜ」

そう言って、私に背を向けて歩き出そうとする背中。

待って。

普段の私はどこへいってしまったのか。
待ってくれ、そんなことも言えない弱い自分。
そんな私にも。

「……おーい、岩沢?」

こいつは。音無は気付いてくれる。手を差しのべてくれる。その手を、私はつかみたい。
一歩。あと一歩。
踏み出した。

「この曲、な……」
「……うん?」
「お前のことを、思って、作った曲なんだ」
「……えっ」
「この意味が、わかるか?」

音無は真面目な顔をしているが、意を介していないようだ。

「でも、一番しかできないんだ、どう頑張っても二番が出来上がらないんだ」
「……」

少しでも音無に伝わっているだろうか。私の不器用なこの告白が。

「……つまり……?」

伝わってなかったようだ。
私はもう沸騰しそうな頭では考えられなくなって。

「だから! 私はお前のことが好きだってことだ!!!」

言ってしまった。
言ってしまったんだ。
恥ずかしさにわたしはそのままギターを抱えて走り出そうとした。

「待てよ岩沢!」

けれど、音無は私を呼び止め、それでも止まらない私の前に走って回り込んだ。

「待てって、ば」
「話すことはもうない」
「なんでそうなる……普通、告白って返事を待つものだろ」
「……」

聞きたくないから逃げたのに。

「おれさ……」

音無は真剣な顔をして私を見てくる。

「おれ、さ。最初はお前の作り出す音楽に……熱のある世界に魅せられて楽屋のドアを叩いたんだ。もっとその世界を見たい、知りたい。そう思って」
「……」

やっぱり、音楽を通じての私しか見ていなかった、そういうことか?

「でも、気付いたら……お前のことばっかり見てた。一見冷静なようで、熱いものをもっているお前の事を」

そこで、音無は言葉を切った、そして続ける。

「好きになっていたんだ」
「……!」

体をびくりと震わせる。叶うことなんてないと思っていた。だけど。何なんだ、この流れは。

「本当に……?」

確かめるように、震える声で。まるで自分がかよわい女の子になったみたいに。

「ラブソングで告白なんてロッカーなのにというかロッカーだからというか……ロマンチストなところとか、不器用なところとか、全部ぜんぶ、好きだ」

あんまりにも真面目な顔をして言うものだから、私はやっと見れた音無の顔をまた見られなくなった。
そっと、音無が私の手を取る。緩やかなのに急な動きに私はまたびくりと体を震わせる。

「今日は、これで」

音無はそう言って、私の手の甲に口づけをした。
ぼっと火照る顔を見られたくなくてそっぽを向いて、辛うじて「キザ」とこぼすと、音無は穏やかに笑った。

帰ろうか。そう、どちらともなく切り出して、駅までの道を行く。
まだ始まったばかりの私たちの関係はどこかぎこちなくて。
でも、少し空いた私たちの間はもどかしいけれど、孤独だと思った私の道に同行者ができた事がこんなにも嬉しい。
いつか、あの歌にも二番が作れるだろうか。
そんなことを、考えながら、私は離れて隣を歩く音無の熱を感じていた。



(fin.)


と、いうわけで岩沢×音無でした!
音無と岩沢の口調やキャラが段々怪しくなってきてうんうん頭を抱えていました(笑)。
頭を抱えて3話見返してたら岩沢さんのかっこよさにしびれ……て、自分のSS読み直して更に頭を抱えてしまいました…なんだろう、これではない感じ…しませんか…(自信ない)!






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