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2011.04.16 (Sat)

エイラーニャSS『いち』

こんにちはー。
WLの原稿を、と意気込んでいたのですが、私自身、6月に試験を控えることになりましたので、WLでの新刊は難しくなってきました…。
でも、できれば何か出したいと思います。
新刊の予定だった「三期妄想」のSSは個人的に完成させて本にしたいものなので、ブログで更新しつつ、いつか本にできたらいいなぁと思っています。
今のままだと上下巻になりそうなのでWLで上、わたできで下の予定だったのをひとつずつずらすかなぁ、とそんな感じです。
できれば2012年の劇場版の詳細が出てくる前に書き終わりたかったんですが…そういう意味では劇場版の詳細が出てほしいようであり出てほしくないようであり…(笑)。
ちなみに1話2話はブログにも載せていますのでよかったら!
芳佳が再び空を飛ぶ、という扶桑舞台のお話になっています。
3~7話までのプロットはできているのであとは書くだけなのですが…ぐぬぬ。。

今回は続きからエイラーニャSSです。ぴくしぶに先に載せていたものです。
ついったーで仲良くさせてもらっているゆきゐちさんの誕生日祝いSSです、トゥルーデと同じ誕生日なんてうらやますぎるーーー!
…続きからどうぞ!
【More・・・】




『いち』

あれ、変だなと思ったのはいつも夜間哨戒から帰ってくると決まって私の横に倒れ込むサーニャがきちんと自分のベッドに上っていったのが始めだった。
いや、なに、この形が本来の形であって、ほんのちょっとだけ寂しいけれど、本来の形なのだから、変ではないのだけれど。
だけど、三日も同じようにきちんと自分のベッドに向かうのでは心配になってしまう。

―私、何かしたっけ?

サーニャとは小さなケンカをよくしてしまうけど、それでも最近はそんなことなかったはずだ。

―何か、したっけ?

考えるけれど、なかなか思い浮かばない。
本人に聞けば一発なのだけど、そんなの恥ずかしくって聞けやしない。
だから私は、サーニャの様子を遠目に見ながら、501の面子に相談してみたのだった。

「なぁ、最近、サーニャ変じゃないか?」
「ふぇ」

食堂で一人、ジャガイモをほお張っていたハルトマン中尉の前の席に座ると、私は唐突にこう切り出した。

「ほんなふぉとふぇいらのふぉうふぁ」
「あーもう、何言ってるかワカンネーヨ。食ってから答えろって」

ハルトマン中尉はもぐもぐ、と別段急がずに咀嚼すると、ゆっくりと嚥下した。

「えっと、なんだっけ?」
「だーかーらー、最近、サーニャの様子が変じゃないかって聞いてるんだって」
「そんなにいつもと違うって思わないけどなぁ」
「そっか……」

肩を落として席を立つ。

「……」

興味津々な目がこちらを見てくるがそれを振り切るようにして食堂を後にしようとしたら、後ろから声がかけられた。

「あれ、エイラさん?」
「ああ、宮藤」

調理場の方にいたようだ、全然気づかなかった。

「ごめんなさい、盗み聞きしたかったわけじゃないんですけど……サーニャちゃんの話してました?」
「……ああ」
「サーニャちゃん、何か体調悪いとかなんですかね……?」
「え?」
「あれ、違うんですか? 3日くらい前に『芳佳ちゃんの治癒魔法が治せるのは怪我だけよね?』って聞かれて……」
「……っ」

この際、宮藤から事情を聞いてしまったという悔しさはどうでもいい。
私ははじかれるようにして食堂を後にした。


***



部屋まで走る、走る。
時は夕刻、そろそろサーニャが起き出して夜間哨戒の準備を始める頃合だ。
今なら、間に合うはず、そう思って走ったら、ちょうど、部屋からサーニャが出てくるところだった。

「サーニャ」

息を整え、私に背を向けて格納庫へと向かおうとするその背中に声をかける。
一瞬びくりと肩をふるわせたけれど、サーニャは聞こえない振りをしているかのようで少し速度を上げて石畳の通路を歩く。

「サーニャ!」

少し強めに声をあげ、私は走ってサーニャに追いつくとその手を取った。
あつい。
その熱さに確信する。

「サーニャ、何で言ってくれなかったんだ、風邪引いたって」
「……」
「私だって、何回もサーニャと一緒に夜間哨戒している。サーニャの代わりに私が飛ぶことだってできるぞ」

ふるふる、小さく首を振るサーニャの様子に私の中で何かがはじけた。
だん、と壁にサーニャを縫いつける。

「なんで全部一人で抱えようとするんだよ!!」
「……いたいわ、エイラ」

そんなの、私だって痛い。胸が、張り裂けそうだ。
サーニャのことを一番知っていたかったのに、守るって言ったのに、私は。私は……。
自分自身が情けなくて、でもその情けなさのやり場がなくて、サーニャにあたってしまっている。……最低だ。
それでも自分を抑えることができず、私はサーニャの声を聞かなかったフリをして責め立てる。

「私は、そんなに頼りないか」

ふるふる、腕の中で縮こまっている体が違う、とサーニャが意思表明する。私はサーニャをじっと見下ろし言葉を待った。

「なんでそんなに守ろうとしてくれるの」
「それは、その……」

先ほどまでの勢いがしぼんでいく。
好きだから、言い出せなくて何度飲み込んだか分からない言葉。
今度も私は飲み込もうと、した。

「私は、エイラに何も返せないから」

なにを言うかと思えば。

「そんなことない、いっぱいもらってる」

すかさず答えた私からサーニャは視線を逸らした。

「……何もあげてないわ」

なんで、なんでなんで、この子は。
自分をそんなに卑下するんだ。
いっぱい、いっぱい、くれているのに……私に。
経験したことのないような暖かさと熱さを、くれているのに。
瞬間。先ほどとは違う熱さでもって私の中の何かがはじけた。
伝えなきゃ。言葉にしなければ、伝わらないことも、あるだろうから。

「愛しさを、くれた。サーニャのことを思うと、こう、胸にぽっと灯がともったような気持ちになるんだよ、暖かくなるんだ。すき、なんだ」

-大好きだ、大好きなんだ、サーニャ。大好きだってだけでこんなに人は強くなれるし、弱くもなれる。不思議だけど、そうなんだ。サーニャがいなきゃ、嫌なんだ。

さらりと、出てきてしまった好きだ、という言葉に気持ちに息が出来なくなる、顔が赤くなる。けれど。

「それは……エイラの気持ちよね」

その言葉に私はびくり、肩が震わせた。冷水を浴びせられた気分だった。




―あぁ、そうだ、私は私の気持ちばっかりで。

そう、思って今度は私が俯いた。

「ごめん、ごめんな」

先ほどまで掴んでいたサーニャの手をそっと解放すると、私はサーニャに背を向けた。

「どこへ行くの」

声が追いかけてくる。
でも、私は振り向かない、振り向けなかった。

「少し頭を冷やしてくるよ……私の気持ちばっかり押しつけて、ごめんな」

そう言って去ろうとしたら、急に手のひらにぎゅっと暖かい刺激があった。

「……サーニャ?」
「違うの、違うのよ、エイラ」

少しだけ、勇気をちょうだい、そう加えて私の手に額を寄せてくる。そのしぐさにどきり、と胸がつかまれたような気持ちになる。
サーニャは深呼吸をして、私の目をまっすぐに見た。

「私、守られているばっかりはいやなの。私だってウィッチよ。あなたのことを、守りたいの。それがエイラと同じ気持ちなのか、わからないけれど」

まっすぐ、見つめてくる瞳に目を奪われた。場違いだけど、思ってしまった、綺麗だ、って。

「だから、こんな風邪で心配をかけたくないの。私だって、私だって……」

先を続けさせたくなくて、そのままサーニャの体をかき抱いた。

「……エイラ?」
「あの、な、サーニャ。私、そんなにきれいな気持ちじゃないんだ。好きだって気持ちも、抑えきれないほどなんだ」

サーニャは私の腕の中で黙って私の言葉を聞いていた。

-私はサーニャの一番になりたい。一番になるって、まして、一番同士になるなんて、そんなの奇跡だ、分かってる。

今、目の前にある一番同士の可能性を信じられなくてつかむのをためらっているんだ。

「それでも、いいの。エイラが、いいの」

びっくりだった、物にも人にも頓着しなかった私がさ、こんなにも欲張りになっちゃうなんて。
でも。
今やっと手に入れた私の一番を離すまい、と私は強くやさしく抱きしめた。

(fin.)



壁ドン(ゆきいちさんが描いた絵)!にエイラーニャSSつけました。そこまでやったならちゅーくらいしろよ!!なエイラさんです(笑)。エイラさんの台詞が恥ずかしすぎて書いてる途中で叫びたくなりました!
余談ですが、タイトルの「いち」は一番、のいちですが、ゆきゐちさんへなのでそういうのも意図したとかしてないとか!

お読みいただきありがとうございました!





拍手返信です!

N村さん
はじめまして!
トゥルーデ×ペリーヌお好きなのですか! まだ書いたことはない組み合わせですが、真面目で素直になれない者同士なかなかいいCPですよね…もう少し票が伸びるかと思ったのですが…!
自分のエーゲル好きだといっていただきありがとうございます! 今、書いている話もエーゲルです、気が向いたときにでもまたいらしていただけるとうれしいです^^
マルゲルってもしかしてR指定の…! 初めて書いたCPでこれまた初めての18という無謀をかましてしまいましたが(笑)、気に入っていただけたならうれしいです!

コメントありがとうございました!



まさきさん
そうなんです、途中経過ではシャーリーがむしろリードしていたのですが、締め切り1週間くらい前からエーリカが伸び始めまして…!
これはすごく興味深いなぁと進行を見守っていました(笑)。
なるほど、サーニャ×トゥルーデだとエイラの存在は必要不可欠ですよね…エイラ×トゥルーデでサーニャがなんとなくもやっとするなんていうのもいいですね、エイラーニャ×ゲルト…おいしいです…! あまり書いたことない組み合わせなので落ち着いたら挑んでみたいですがっ
そういえば週刊じぇっと状態ですねw 書くネタがあるときは1週間ごとくらいですが、ネタがないとしばらく更新しなかったりするのでまちまちなのです…。金曜・土曜くらいで更新することが多いですが、一概には言えない感じです。
会津屋さん、覚えました! 土地には明るくないですが、ガイドマップを買ったのでなんとかなると思います、ご厚意ありがとうございます!

コメントありがとうございました!


GJ!~の方
トゥルーデアンケートの結果のことでしょうか!ごめんなさい、実は設置型の拍手ボタンの方ではどの記事への拍手なのかわからないのです…。
申し訳ないです、でもぐっじょぶありがとうございます、励みになります!

コメントありがとうございました!
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