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2010.12.31 (Fri)

もっミーナ『chanmery』/2010年お疲れ様でした!

コミケから帰還しました!(やだこのPC、きかん、って打つと既刊ってなる…(笑))
参加された皆さま、お疲れさまでした!
私は一般で参加したのですが、ストライク島を回ってました。
高村監督の本はほとんど諦めていたのですが、行ってみたらちょうど完売の時だったらしく、綺麗に列がはけていきました…でも、せっかくブースに監督がいらっしゃるのでこっそり盗み見てきましたw

さて…今日は2010年最後ということでSSを載せます。pixivで先んじて公開していたものです。
年の瀬なのに内容はクリスマスですよ…完全に機を逸した…!
ルッキーニのお祝いであると同時にさんぱちさんのお祝いでもあります…!
初めて書いたもっミーナです。

続きからどうぞ!
【More・・・】




『chanmery』


「ねぇねぇ少佐! 今日は何の日か知ってる?」

街だけでなく、基地の中でさえ、浮かれた空気に包まれる今日と明日。
そんな中、食堂で朝食を取り、談話室でゆっくりしていた美緒の前に、ルッキーニがにこにこと現れ、こう言ったことからその日は始まった。

「さて……何の日だったかな」

分かっているのをもったいぶるように美緒は笑って見せた。

「えー! 少佐わからないの!? 今日はね今日はね……」

美緒はそこまで聞いてルッキーニの頭を少し乱暴に撫でた。

「ぎにゃー」
「知ってるよ。今日はクリスマスイブで、お前の誕生日だ。おめでとう、ルッキーニ」

そう言うとルッキーニは嬉しそうに目を細めた。
それを見て美緒もまた目を細める。……違う意味で。
ルッキーニを見ていると眩しくて目がくらむようようになったのはいつのころからだったか。
少し目を閉じて、呼吸を置いて美緒は再び目を開いた。

「ほら、ルッキーニ、誕生日プレゼントだ」
「えっ!? プレゼントあるの!」

クリスマスらしい包装用紙にくるまれた細長いものを美緒から受け取ってルッキーニは体全体で喜びを表した。

「お、なんだ、少佐からプレゼントもらったのかルッキーニ」

いつの間にやって来たのかシャーリーがルッキーニの手元をのぞき込んでいた。

「うん! 今から開けるとこー!」
「そっかー、よかったなぁ」

シャーリーはルッキーニの頭をなでると美緒に目線を送った。

―悪いね、少佐。

その目はそう言っているかのようだった。
しかし、その目が段々と笑いをこらえる方へと変わっていくのに時間はかからなかった。

「少佐ー! ナニコレー!!」

ルッキーニはもらった箱から出てきたものを手にして叫んだ。

「ん? 木刀だが」
「知ってるよ! 私はなんでクリスマスに……誕生日に、ぼくとー!? って言いたいの!」
「……くはっ……ふふっ……」

シャーリーはルッキーニの横で笑いをこらえている。

―そんなに変だろうか……?

美緒は頭をひねるが、自分がルッキーニの年齢の時にもらって喜んだもの……と思って探し出した代物だ。ルッキーニも喜んでもらえると思っていたのだが。

「うーん……でもありがとっ、少佐!」
「あぁ、それで訓練に励めよ」
「それはやだー!」

ルッキーニは心底いやそうに応じて、その場を後にしようとしたが、シャーリーがそれを呼び止めた。

「あ、ほら、ルッキーニ! お前、お礼は」
「あ。……ちょっと待っててね、少佐!」

お礼なんて今言ってもらったじゃないか、いいのに、と美緒は思ったが、ルッキーニはそのままどこかへ走り去ると、三十センチ四方の箱を持って戻ってきた。
よくある、お菓子が入っているような箱だ。

「はい、少佐、お返し!」

箱から出てきたのは金色の包装紙に包まれた小さなチョコのようだった。

「これを私に?」
「そう! マーマがクリスマスなんだから基地のみんなにあげなさいって!」
「送ってきてくれたんだってよ」

シャーリーがルッキーニの言葉を継いだ。

「そうか、ありがとう。後でいただくとしよう」

それじゃあ、仕事が残っているから、と言って美緒は自室へと戻った。


***


クリスマスというのは空気をも楽しくさせるらしい。
こういったイベント事にあまり興味のない美緒もどうも仕事に集中できず、小一時間で食堂へと戻ってきた。
ちょうど厨房に立っていた宮藤が美緒に声をかけてきた。

「あ! 坂本さん、ちょうどいいところに。今、扶桑茶を入れているところなんで
すが、坂本さんも一緒にいかがですか」
「おぉ、頼む」

美緒はそのまま食堂の席に着き、宮藤が入れるお茶を待つことにした。
最前線にあってもなお、日常を忘れないようにという気遣いからか食堂の端にはクリスマスツリーが輝いていた。
ツリーの先の厨房にはペリーヌとリーネも一緒にいて、談笑している。
そこで美緒はペリーヌとリーネの501結成時の様子をふと思い返した。
なかなか馴染めずにいた二人が今こうして、談笑している、そう思うと不思議な感慨があった。

ちなみに……美緒が談笑していると思った三人は
「何でクリスマスに扶桑茶なんて野暮ったいものを入れようとしているんですの」
から、美緒の言葉を受け、
「扶桑茶はどんな時にも合いますわよね、さすがは坂本少佐」
と手のひらを返したペリーヌに対して宮藤とリーネが苦笑いを浮かべたものだった、というのは美緒の知るところではない。

美緒は更に思考する。

―宮藤が来てからというもの、501の空気は本当に変わった。これだけ個性の強い集団の中にあっても……本当に変わった奴だ。

と、美緒は微笑み、次は自らが教える立場になっていろんなことを背負って飛ぶ宮藤の姿を想像した。いつまでも、宮藤を見守っていたい、と。……それが叶わないことを知っているが故に、その想像は自らの胸を傷つけた。

自然と俯いてしまった視線の先には、先ほどルッキーニからもらった、チョコレートと思しき包み。
あまり甘いものは好きではないが、たまにはいいかもしれない、と美緒は包みを開け、口の中に放った。

甘さを抑えたチョコレートを舌で転がすと割れ目があった。
つつくようにしていると、中からどろりとしたものが出てきて口の中に広がった。
不思議なチョコレートだ、そう思った途端、美緒の記憶は飛んだのだった。



***


「……坂本さん?」

宮藤は恐る恐る美緒に声をかけた。

熱い扶桑茶を入れ、美緒の前に置いたはいいが、その直前に呷るようにして何かを口に入れた途端、美緒の動きはぴたりと止まってしまっていた。
顔をのぞき込んでみると、目を閉じている。
日頃の激務のせいでこんなところで眠ってしまったのだろうか。坂本らしくないと言えばそうだが、らしくないからこそ何だか微笑ましい気がしてそっとしておこう、とペリーヌとリーネに静かにするように合図を送ろうとした、その時だった。
振り返った先の二人がびっくりした表情で自分を見ていた。

「え? あれ、どうしたの、ペリーヌさん、リーネちゃん?」

そういって二人の視線をよくよくたどってみると自分ではなく自分の背後……美緒に向かっていることに気がつき、宮藤は後ろを振り返った。
そこには、ゆらり、と立ち上がる美緒の姿があった。

「坂本……さん?」

いつものしゃきっとした空気はどこかへいき、今あるのはゆらりとした「何か尋常ではない感じ」。
宮藤はそれを感じ取り、とっさにバックステップで距離を開けようとした。しかし。

「宮藤ィィ!!」
「はいぃぃぃ!?」

がしり、と美緒に抱きつかれ宮藤は身動きがとれなくなる。

「さ、坂本さん!?」

急すぎる行動に顔を赤らめつつも美緒の表情をうかがおうとする宮藤だったが、あまりにもきつく抱きしめられるものだから見ることはできなかった。

「宮藤さん!!」
「ペリーヌさぁん、助けて」

助けが来た、と宮藤はペリーヌを見るが、
「宮藤さん、代わりなさい!!」
助けどころかいわれのない理由で喧嘩を吹っ掛けられそうな勢いである。

「えぇぇ、わけがわからないよ! というか……くる……し」
「芳佳ちゃん!?」

ぎゅうぎゅうと締め付けられ、ついに宮藤はきゅう、と倒れた。
宮藤に駆け寄るリーネと、自分に向かってくるペリーヌを無視して、美緒は次の標的を見つけ、駆け出した。

次の標的……それは。

「……!?」

食堂に入ってきたばかりのミーナだった。
ミーナは自分に全速力で向かってくる美緒を避けようとして……行動できなかった。
脳裏に……いつぞやのことが思い浮かんでしまったから。
咄嗟に動けないのか、それとも……それを望んでしまっている自分がいるのではないか? そう思うと……動けなかった。

とっさに傍らにいたバルクホルンが間に入る。
襲いかかろうとふりかぶった美緒の手に自分の手を合わせ、前へ進むのを遮るのだが……。

「ぐっ……少佐、どこからこんな力が……っ」

魔力を解放したバルクホルンでさえやっと、という拮抗具合に、周りは恐怖した。
その時。
のんびりとした声が空気を読まず乱入して来たのだった。

「しょうさー、ごめーん、さっき間違えてお酒入りのチョコをルッキーニがあげちゃったみたいで……」

食べないでくれるかな、という言葉は徐々に小さくなって聞こえなかった。
食堂の惨状を見たシャーリーが段々と状況を把握していった証拠だ。

「時すでに遅し!?」
「リィーベーリーアーンー……? おまえかぁぁぁぁぁ!!」

バルクホルンはシャーリーを睨みあげた。

「おわぁ、おっかない」
「うっるさい! 見ている暇があったら助けろ!」
「あ、アイアイサ!」

バルクホルンの言うことを素直に聞いて美緒を後ろから羽交い締めにした。
なおも抵抗を続ける美緒だったが、どこからともなく現れたハルトマンの「もらったぁ!」のかけ声とともに繰り出された手刀により、意識を完全に落としたのだった。


***


「……そこに置いて」

ミーナは静かに自分の部屋のベッドを指さした。
バルクホルンはわかった、と応えて背負っていた美緒をゆっくりとおろした。

「ありがとう、トゥルーデ。後は私が」
「……ああ」

先日のキスの騒ぎや先ほどのことを思うと二人きりにしていいものかと戸惑ったが、バルクホルンは静かに扉を閉めた。

「……美緒」

ミーナは横たわっている美緒の髪の毛を静かに梳いた。
額にかかっている髪の毛をよけ、額に手を当てると驚くほど熱くて、まだ酒気が残っているのだと知る。

先日の時は受けた衝撃が強すぎて注意をすることも出来なかったが、今回こそは注意しなくては。
そうでなければ……自分ではない、誰かにあんなことをしている美緒を想像してミーナは辛さに目を伏せた。

―そんなの耐えられない。

宮藤を抱きしめているのも見てしまったが、それが故に思いを強くする。

そんなの、耐えられない、

と。

いつの間にか自分の中で育った気持ちを、自分でもどう御したらいいか分からず、ミーナは日々を過ごしていた。

額に振動が伝わる。
美緒が身じろぎをしたようだ。
うっすらと開けた瞳から覗いたのはやはりいつもとは違う、どこかとろん、としたものだった。

「ミーナの手は冷たいな」

それはあなたが熱いからよ、そう返そうとしたミーナだったが、言葉を紡ぐことはできなかった。

がば、と体を起こした美緒はそのまま位置を変え、その手でミーナの右手をベッドに縫い付けた。
そして強引にキスをする。
どん、どん、と空いている左手で肩を叩いてミーナは抵抗するが、バルクホルンにも拮抗したほどの力を持つ美緒に適うはずもなく、力なくベッドに横たわった。

ぎゅう、と抱きしめられて、気持ちまで締め付けられた気になる。

確かに、私は美緒のことが気になっていた……好きになっていた……。こうして抱き締めてくれることは嬉しい……けれど。

つぅ、と堪えきれなかった涙が頬を伝った。

―いやよ。

酔ってわけがわからないままにこんなことをされるのは、
「いや……」
「……っ」
ミーナの声に美緒が体をびくり、とさせた。
その目に、いつもの光が戻ってくると同時に戸惑いが色を濃くした。

「……美緒?」

恐る恐る声をかけると、美緒は身を離し、震える自分の手のひらを見つめた。

「私は、なにを……」

その様子に美緒が完全に我に返ったことを知り、ミーナは少し残念がっている自分を押し殺し、安心させようと声をかけようとした。
しかし、美緒は次の瞬間、弾けるようにベッドから起き上がった。ぎし、とベッドが大きく揺れる。
とっさに、ミーナがその手をつかむと反動で美緒はミーナに引き寄せられる形になった。

「はな……してくれ。私は……なにを……してるんだ……」

その声のあまりの元気のなさに、手を離しかけるが、ミーナは確信する。

―今、この手を離せば、私は一生後悔する。

「ねぇ、美緒。大丈夫、大丈夫だから」

幼子に言い聞かせるようにしながら、ミーナは美緒を背中から優しく抱きしめた。

「……」

落ち着いた頃合いを見て、ミーナはその口を開いた。

「……ねぇ、美緒。どうしてこんなことしたの?」

身じろぎ。だけど、今度は逃げだそうとはしない。

「怒らないで聞いてくれるか」
「もちろんよ」

美緒はミーナを見ないままに覚束ない言葉で語る。

飛べなくなることで自分の存在意義がなくなるんじゃないかって不安で。
誰かに触れていたくて。
……お前は必要なんだって言われたくて。
こんなことをしてしまったんだ、と。

誰でもよかったのだろうか、とミーナは胸に痛みを覚えたが、それは押し殺した。
美緒はなおも続ける。

「すまない、許してくれなんていえない。明日から……距離を取るから。この戦域が平和になるまでの辛抱だから……」

ぎゅう、と抱きしめる力を強くして、ミーナは言葉を遮った。

「誰が許さないと言ったの?」
「でも……」

やっと自分の方を振り返った美緒はやはり、いつもより小さく見えた。不安に揺れる瞳ににこり、とミーナは笑いかけた。

「黙っておいてあげるわ。あなたが泣き上戸だってことも含めて」
「……え」

美緒は思わず、自分の頬に指をはわせた。そこには確かに水滴が辿った跡が感じられた。

「こ、これは……」

恥ずかしそうに美緒は目を伏せた。そして、見上げる。

「……ああ、頼む」

黙っておいてくれ、と小さく続けた。鈍い美緒でもわかった。ミーナは、自分を許してくれるのだ、と。
見上げる美緒のかわいさに思わずミーナが抱きしめると、美緒が今度は驚いた。

「ミ、ミーナ」
「うふふ、仕返し、よ」

そして、体を離す。

「ねえ、美緒。おいしいシャンメリーがあるの。一緒にどう?」

お酒ではない自分のためのチョイスに美緒はふっと頬をほころばせると、
「喜んで」
と、応じ、ゆっくりとテーブルについた。


二人はシャンメリーを注いだグラスを合わせる。
少し子どもじみた炭酸の泡が今は心地よくて、甘く甘く広がるシャンメリーが気持ちをほぐしてくれるみたいだった。

「メリークリスマス」

そして加わるあなたの言葉に酔ってしまいそう。ただの子どもの飲み物なのにね、とミーナはそう自分の中で茶化して美緒を抱きしめたくなる気持ちを押し隠していた。

(fin.)


わっしょいもっさんにやきもきするミーナさん…いい!

…2010年もお世話になりました、2011年もよろしくお願いいたします!






拍手返信です!
へちまさん
ぐっじょぶありがとうございます!
続きはあまり考えてなかったのですが、気に入ってくださったみたいなので…真剣に考えてみようかと…!
いちさん(元ネタを考えた方です)の今後に期待しつつ、自分も頑張って書きます―!

コメントありがとうございました!!


まさきさん
まさきさんの設定おもしろいです…!坂本さんが賢者というのはなかった発想でした…!ルッキーニも混血ってあたりが更にファンタジー感が出ていいですね…!わくわくしましたw
以前のSSも読んでくださりありがとうございます!!トゥルーデが1番好きですが、エイラーニャやもっミーナとかトゥルーデ絡まない組み合わせも好きなのでまさきさんの言うシャッキーニの話も、まさきさんさえよければ書きますよー!
『たしかなこと』は人に差し上げたSSで、あまり書いたことなかった組み合わせだったのですが、存外、ミーペリってありなのかもしれない!と思いながら書きました。声付き再生していただけると聞いてほっとしています…!
まさきさんも2010年お疲れさまでした、来年もイベント等でお会いしましたらよろしくお願いします!
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