2010.06.05 (Sat)

Angel Beats 岩沢×ひさ子SS『my song』

あともう少ししたら一番早いところではAngel Beatsの最新話が放送ですね!
次回予告ちゃんと見てないんですが、今回はガルデモ回な予感…!
ユイにゃんが中心のようなので過去の岩沢とか出てこない気しかしないですが、過去の岩沢出てきたらいいなぁ、と思いつつ、妄想してたらSS書いてました(爆)!
岩沢がこの世界に来るところから妄想…完全に私得です\(^o^)/
長いので2つに分かれています、こちらが前編です。

続きからどうぞ!
【More・・・】




「……っ」

目覚めたとき見えたのは、木目の天井だった。
ぼーっと、見上げ、そしてあたりを見渡す。
どこかの学校の体育館のステージのようだ。
私は病院にいたはずなのに。

体を起こして床に座り込む、頭に手をやるとそこに巻かれていたはずの包帯がなかった。
手をあげた拍子にがたん、という音がしたので自分の傍らを見てみると、そこにはギターが置いてあった。

私があの日、運命的な出会いをした、ギター。
歌うことを教えてくれたギター……そこでぼんやりしていた頭が急に覚醒する。

私。私は……何で病院なんかにいた? 頭を打たれて、声を奪われて……それで?
声。声は出るだろうか。
手を首にあてがう。

怖い、もう声が出ないとしたら。
おそる、おそる、口を開く。

「……あ」

出る。声が、出る。
ここがどこかなんてどうでもいい。
声が出る、ギターがある、また歌うことができる。それだけで私は満足だった。
ギターをたぐり寄せ、ぽろん、と音を奏でる。良い音だ。ステージの縁に足を投げ出し座ると、そのままギターを奏で始めた。
私が初めて作った歌。
ロックとはほど遠いバラード。「私の歌」。

しばらく弾いていると、がらり、と体育館の重い扉が開く音がした。
それでも構わずギターを弾いていると、扉を開いた人物はつかつかと私の方へ歩き出した。

「あなた、良い音持ってるわね。でもバラードは陽動に向かないか……」

挨拶も無しに話し出した自分よりも少し年下の女の子を見下ろし、ギターを止めた。

「……」
「気に入ったわ、私のsssに入りなさい」
「……sss?」
「死んでたまるか戦線、よ。いや、今は違う名称だったかしら。まぁいいわ、付いてきてちょうだい」

勝気なその少女はそれだけ言うとくるりと踵を返して入ってきた講堂の扉へと向かった。
どうしようかと思案していると「付いてきなさいってば!」と急かす声が聞こえて、私はやれやれと腰を上げた。


***


「と、いう感じで、この世界のことはわかったかしら、岩沢さん」
「……まぁ、なんとなくは」

校長室にノックも無しに入っていったこの少女の名前はユリ。sssとかいうグループのリーダーだそうだ。
校長室の、一目で校長が座るだろういすに座ってふんぞり返っている少女の前に、私は立っていた。
設置されたソファーには柄の悪そうな連中が揃っている。
ただでさえ柄が悪いのに、斧や銃を携えているのだからなお性質が悪い。
しかしまぁ、なんとかなるだろう、そんな気持ちが私を支配していた。
……と、いうよりも、今、ユリから告げられたこの世界のことに驚く気持ちが強かった。

この世界は死後の世界で? 自分たちは天使と戦っている?
RPGというのをやったことがないが、こういうものだろうか。だとしたらいきなり非現実世界に迷い込んだ主人公の気持ちを体験しているようなものか。

「で?」

思考が逃避するように飛んでいた私をユリの声が現実に戻した。

「で? と、いうと?」
「私たちに協力して欲しいの、岩沢さん」
「銃を持ってたたかえと言うことなら私は無理だ」

私は周囲に控えるやつらを見渡していった。

「そんなのやらなくていいわ。それは私たちの仕事。あなたには陽動をやって欲しいの」
「陽動……」
「一般生徒を安全なところに集めて、天使をおびき出す、大切な役割よ」

ユリはにやりと笑って見せた。


***


私はユリの言う陽動を引き受けた。陽動とは結局、歌うことだったからだ。断る理由もなかったからだ。
バンドメンバーは粗方揃っているというのでメンバーが練習しているという教室へ案内された。
なるほど、ベースとドラムが揃っている……けれど、本当に粗方だな、と肩をすくめるも、ドラムの入江にベースの関根。
2人とも癖はあるものの、腕はなかなかのものだ。

「岩沢だ。よろしく」

そう言って握手を交わし、Girls Dead Monster、通称、ガルデモは結成された。


***


しばらく、バンドの練習の日が続いた。
この世界のことも少しずつ分かり始めた。だけど、結局のところ、私がしていることは現実世界でもこの世界でも同じことだ。

自分の中の思いを歌にして、人に届ける。
歌い続けること。
だから大した違和感もなく、日々が過ぎていた。

屋上へと続く扉がついた建物の上に横になりながら空を見上げる。
今日はユリの命令で授業をさぼれ、とのことだった。
そうして考えるのはだいたいが新曲のことやバンドメンバーのことだった。
メンバーの力量は申し分ない。曲の方向性も一致している。だけど、何かが足りない。
足りないものは、なんだ?

そう思って、ギターをたぐり寄せてぽろん、と奏でる。
ユリがいる前では弾かないようにしているが、1人になると私は自作のバラードをよく弾いた。

「泣いてる君こそ、孤独な君こそ」

歌っている途中で気配がする。
教師が気づいて注意しにきたとしたら厄介だと足元の扉を覗き込もうとしたら1人の女の子が屋上の真ん中にいるのあ目に入った。
今まで眠っていたようで、手をついて起き上がり頭を振って意識をはっきりさせようとしているようだ。
着ている制服は、この学校のものではない。
ポニーテールでまとめた髪に、すっとした目が印象的だ。
観察しすぎたのか、私に気づいたようだ。

「……あんた……誰?」

見上げるその視線は鋭く、こちらを射抜くようだ。
強い強いその瞳に思わず吸い込まれそうになる。

「岩沢。あなたは?」
「……ひさ子」

これが、ひさ子との出会いだった。


***


ユリの話だと、死んだ人間は突然にこの世界に現れるのだそうだ。
私が突然、体育館にいたように、ひさ子もまた、あのタイミングで屋上へ現れたのだろう。
ユリに一応の報告をすると、ひさ子と2人きりになった。
私は陽動という、反抗する道を選んだ。
だけど、こいつにはまだ選択肢がある。

「この世界のこと、今聞いたばかりじゃ信じられないことも多いだろうけど、この世界でどう生きていくかは、あなたが決めることだよ」

言わなくても分かるだろうけど、混乱しているひさ子のことを思って柄にもないことを言ってしまった。
反応がないので「言わなくてもいいことだったな」と、言ってその場を去ろうとすると、予想外にひさ子から反応があった。

「あんたたちの音、聞きたい。練習場所に連れて行ってよ」
「……いいけど」

そう言って、私はひさ子をいつもの練習場所へ連れて行った。
音楽経験のないはずのひさ子が、何を気に入ったのかギターにはまり、私を追い越す勢いで上達するまでそう、時間はかからなかった。


(to be continued...)



そんなこんなで続きます!↓
後編『Your song』



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00:40  |  Angel Beats! SS  |  トラックバック(0)

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