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2010.05.08 (Sat)

ミーペリSS『たしかなこと』

本日2個目の記事です。
そういえば最近ストライクウィッチーズのSS載せてなかったな、と思ったら最後にストウィチSS載せたの1月でした…!

今回のSSは今まで書いたことない組み合わせ…ミーナさんとペリーヌです。
ある方の誕生日祝いに書かせていただきました!
誕生日おめでとうございました!!!!

こういう機会をもらえたからこその組み合わせで新鮮な気持ちで書けて楽しかったですw
※501解散後、ミーナさんが飛べなくなる設定です。

続きからどうぞ!↓
【More・・・】


501が解散された日、ガリアに戻る私にあの人は言った。
「今までガリアを旅行したことがないから、いつか復興したガリアを見て回りたいわ」と。

「必ず、元のガリアに戻してみせます。そうしたら一緒にストライカーで飛んで回りましょう、ご案内します」

そう答えた私に困ったような表情を浮かべたミーナ中佐。
その表情の意味を知ったのはガリアに戻ってしばらく経ってから飛び込んできたニュースだった。
そのニュースはミーナ中佐が飛べなくなった、というものだった。




『たしかなこと』




「……ヌさ……」

遠くで声が聞こえる。視界を遮るように目の前で手が振られているのが見える。

「ペリーヌさんっ」

先ほどよりも強い声で名前を呼ばれて、私はやっと我に返った。

「あれ……私……」

ぶれていた焦点を合わせると、目の前には心配顔をした栗色の髪の毛の女の子。

「……リーネさん」

ここはガリアの復興政府に間借りした形のガリア軍駐屯地。その中の休憩所だ。
501が解散されて後、リーネさんとここに初めて来たとき、間借りという形とはいえ整然と並べられた品良い机と椅子に感動したのを覚えている。
大切に使おう、大切に守っていこう、そう思っていた。

「大丈夫ですか?」

リーネさんは私に声を再びかけた。
先ほどよりも近く、下の方から聞こえるのは、リーネさんが椅子に座る私の傍らに膝をついたからだ。
なぜそんなことをしているかといえば、先ほどのニュースに驚いた私が手にしたカフェラテを落としてしまい、カップの欠片も中身も足下に散らばってしまっていたから。
リーネさんの手はカップの欠片を一つ一つ丁寧に拾う。
大切にしようと思った場所なのに、カフェラテは無様にもカーペットを濡らした。
もうほとんど飲んでいたから汚れた部分はほとんどなかったけれど。

でも、「そんな」「たかが」カーペットよりも今は大切なことがあった。

「リーネさん、今なんて……?」
「……ミーナ中佐が魔力を失って、飛べなくなった、と先ほどバルクホルン大尉から連絡がありました」

もちろん、戦友の引退はもの悲しいものだ。
だけどリーネさんには私がなぜこんなに動揺しているのかわからない、といった様子を滲ませながら私を見上げていた。

それはそうでしょうとも。
私は坂本少佐が好きで好きで、そのパートナーの位置にいたミーナ中佐のことを疎んでいるように見えたでしょうから。

「リーネさん」
「……はい?」
「私たちの休暇はどれくらい残っていましたっけ」

合点がいったようにリーネさんは微笑んだ。

「ガリアに来てからというもの、ペリーヌさん休みを取っていないじゃないですか。少し心配だったんです」
「……」
「バルクホルン大尉たちは今、ブリタニアにいます、行って帰って3日間取ってもまだお釣りが来るくらいですよ?」

茶目っ気たっぷりだけど、茶化しているわけではない瞳が私をまっすぐに見た。
そして「これで最後の一欠片」と言って拾ったカップの欠片をまとめると手近にあった紙を取り出しくるんで私の手を取り立ち上がった。

「行きましょう、ペリーヌさん!」

つられて立ち上がった私をぐいぐいと引っ張るようにしてリーネさんは司令室へと進路を取る。
その少し強引な背中は扶桑のあの子にかぶって、思わず笑ってしまった。



***



ごうごう、と音を立てて私たちを乗せた飛行機はドーヴァー海峡を渡る。

「……」

思わず休暇を取って基地を後にし、一路ブリタニアを目指しているわけだけど、行って何になる、と今更な気持ちが私を苛んでいた。
彼女と特に仲が良かったわけではない私が、できること、声をかけるべきことが見つからない。
そんな不安を包み込むようにリーネさんはずっと隣で手を握っていてくれた。
そしてそんな不安をあざ笑うかのように、あっという間にブリタニアに着いてしまう。
ガリアとブリタニアは案外近かったのだ、と先の戦いを思って苦笑を浮かべる余裕はこのときの私にはなかった。


「バルクホルン大尉」

リーネさんが私の手を引きながらバルクホルン大尉のもとへ走り寄る。
飛行場までわざわざ私たちを迎えにきてくれたらしい。

「あぁ、リーネ、ペリーヌ、元気そうで何よりだ」

戦友の引退ということで気落ちしているかと思ったけれど、バルクホルン大尉は元気なようだ。

「わざわざ悪かったな、ミーナもきっと喜ぶと思う」
「はい」

話を通していてくれたのはリーネさんだ。
バルクホルン大尉は挨拶もそこそこに基地内へと歩き出した。

「……」

無言で私たちを先導するその背中を盗み見ると、そこから悲しみは伝わってこない。
だけど、何だろう。バルクホルン大尉からは何か強い覚悟のようなものが伝わってきた。
バルクホルン大尉とミーナ中佐は誕生日もほとんど変わらない。……故の、覚悟、だろうか。

「あ、トゥルーデ」

懐かしい声に現実に戻される。

「いらっしゃい、リーネ、ペリーヌ」

黒い悪魔、と呼ばれる元同僚は体重を預けていた壁から背中を離すと気安い様子で声をかけてきた。

「いやぁ、飛んでくるとはまさにこのことだね。……ミーナなら中だよ」
「ありがとうございます」

リーネは頭を下げると私の背中を押した。

「……え?」

リーネさんは入らないのか、そう問おうとしたが、彼女は黙って頷いた。
1人でいけということらしい。

「私は後ででもお話しますから、ペリーヌさん、先にどうぞ」
「……ありがとう」

私はそのまま、ハルトマン中尉のそばのドアをノックする。
すぐに「どうぞ」という返事があって、私は扉をくぐった。



***



「ご無沙汰しています、ミーナ中佐」
「あら、別れてからそんなに経っていないでしょう?」
「そういえばそうですね」

だけど、離れている間に色々な変化があった。
私は守るべき故郷を取り戻してその復興に尽力しているし、あなたは空を飛ぶ力を失った。
一緒にガリアを飛んで回るという約束は、果たされない。

ミーナ中佐はベッドに腰掛けて私を迎え入れた。
私は手招きされてその横に腰掛けた。
ぎし、ベッドが私の体重を受け入れてきしむ。

「わざわざガリアから来てくれたのね、ありがとう」
「いえ……」

いざ目の前にすると何を話していいのか分からない。
私がここに来たのはとにかく会わなくては、という焦燥感だけだったから。

「……変な言い方になったらごめんなさい、先に謝っておくわ」
「……?」

ミーナ中佐の突然の切り出しに私は疑問符を浮かべる。

「まさかあなたが私のために来てくれるなんて思ってなかったわ。てっきり私は……その、あなたに」
「……嫌われているとでも思っていたのですか?」

ミーナ中佐ははっとして私の瞳を見た後、目線を床へと落とした。

「端的に言えばそうね。あなたにとって坂本少佐は特別だったでしょうから、副隊長として彼女をそばに置いてしまったからあなたには寂しい思いをさせてしまったのではないかとずっと思っていたの」

だから、私のことを嫌っているのではないかな、なんて思ったの、と続く言葉がミーナ中佐の中に飲み込まれていったのが見えた気がした。

「……嫌っていたのとは違いますが、寂しくなかったと言えば嘘だと思います」

正直な言葉を伝えるとミーナ中佐は頷いて見せた。

「でも……私は501で坂本少佐だけでなく、たくさんの大切なものを手にしました」

何の話だろう、とミーナ中佐は首を傾げた。

「覚えてらっしゃいますか、バルクホルン大尉が負傷したときのことを」
「もちろん、覚えているわ」
「あの時、ミーナ中佐はバルクホルン大尉を叩いて言いました。『私達はチームなのよ』と」
「……」
「私は、あの時、501のことを改めて考え直しました。国を失ったのは私だけではない。大切な人を亡くしたのも私だけではない。それまで私は、私だけがかわいそうなのだと思っていた。だけど、それは愚かな勘違いだったと、簡単なことに気が付いたんです」
「……そう」
「きっと、カールスラントが先に取り戻せたとしても、そしてそのとき、ガリアがまだ取り戻せていなかったとしても、私はきっと喜んだでしょう。あなた方の喜びを、自分のことのように喜び、そして傷つけば同じように痛むでしょう。自分の中で501の人たちがどれだけ大切か、あの時、気づいたんです」

ミーナ中佐は黙って聞いている。
私は何を言いたいかまとまらないまま、それでも何か言わなくてはと吐き出す言葉は止まらない。

「私は……ミーナ中佐、501を家族だと思ったんです。家族を失った私だけど、坂本少佐はお父様に良く似た竹を割ったような性格で、その相方としてのミーナ中佐にお母様の面影を見ていたんです」
「……」

ミーナ中佐は年齢がそこまで変わらない私に母の話をされて内心複雑だったかもしれないが、このときの私にそこまでの配慮はない。

「イエーガー大尉とバルクホルン大尉はお姉さん、宮藤さんやリーネさん、ルッキーニ少尉はかわいい妹……なんて想像してしまったりもして」

そこで言葉を切った。

「……ありがとう」

何を分かったのか、ミーナ中佐は微笑んで私を抱きしめた。
鼻の奥がツン、となり、理由の分からない涙がこみあげる。
違うの、私が言いたいのは、こんなことじゃなくて。

「私は……私は! あなたのことも家族だと思っています。だからそんなあなたを嫌いになるはずないじゃないですか! それに……ミーナ中佐は忘れてしまったかもしれないですが、いつかガリアを一緒に回るという約束だって……私は忘れてないですよ」
「もちろん、覚えているわ。果たせなくてごめんなさい」

詫びるミーナ中佐の腕の中で私は幼子のようにいやいやと首を振った。

「果たせないことを責めているんじゃありません。自分でもわからない、ミーナ中佐に会って、何を言いたかったのか、でも」

言葉を切る。
息を継ぐ。

「あなたが飛べなくなったと知っていてもたってもいられなくなった。会わなくちゃと思った。何かあれば駆けつけたいと思う、この気持ちは迷惑ですか? 家族としてあなたを想うことは……迷惑じゃないですか?」
「迷惑なはずがないじゃない」

即答が返ってくる。
共に飛べなくなったことは悲しい。
でも、彼女が無事でいてくれることが嬉しい。
501にいるとき、バルクホルン大尉ではないが、彼女もまた、大切なものを失って、自分自身を省みないところがあった。
敵を倒すことに注力するのではなく、他者を慈しみ、自分自身などどうでもいいかのように振舞うその姿はいつも強いけれど脆さも垣間見えて心配だった。
だからどこかで安心しているのかもしれない、あなたが飛べなくなったことに。

「ありがとう、私は本当にいい家族を持ったわ」

私はその後、リーネさんたちが入ってくるまでミーナ少佐を抱きしめていた。

空を飛んで誰かを守る、ということから解放された今だからこそ、あなたはあなたの為だけに生きて、家族として私はあなたを支えるから。
……私はこう言いたかったんだ。


(fin.)

作中では芳佳に嫉妬するペリーヌは結構見るけど、隊長に嫉妬するペリーヌは見なかったような…。
と思いつつ、別に嫌いなんじゃなくて、素直になれないというか、とにかくペリーヌ良い子!っていう感じで書いてみました!





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