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2010.02.05 (Fri)

ソラノヲトSS『黄昏の音』・中

少し間があいてしまいましたが、ソラノヲトSSの続きです。
この空いた間の分のアニメ分でいろいろ設定が出てきてしまっていろいろとおかしなところが出てきてしまいましたが、目をつぶってくださる方は…続きからどうぞ!
拍手返信は次の更新のときにさせていただきます、すいません><
【More・・・】



冷えた体を暖める為にコーヒーを入れてくれる、と言うカナタにつられ、食堂へやってきた。
カップからたゆたう湯気と、苦い香りが心地良い。

「雨、止みませんね……」

窓のそばに寄って、カナタは空を見上げて言った。

「そうだな」

返して、私はテーブルに置いたカップへと手をやる。
カップの横には私の喇叭。先ほどの雨で少し濡れてしまったので拭いてある。

今日は特にすべきこともない。
練習が中断になってしまった以上、こうして時間を過ごしていた、わけだが。


がたん


静かな時間に生じた、小さな違和音。

「……? 今、何か音がしませんでしたか?」

カナタも気づいたようだ。
時計を見てみると、まだフィリシアたちが帰ってくるには早い。

「一応、様子を見てくる」
「私も行きます」
「そんな大した事じゃないと思うぞ」

さっき思い至ったように、教会の子供達の仕業という可能性もあるし。

「なんだか、嫌な予感がするんです」

予感、という何の根拠もない言葉が出てきたが、カナタの言葉を尊重し、同行を許した。

「わかった、だけど、喇叭は持っていけよ。万一のときは吹くんだ」
「了解であります!」

そうして、私達は物音のした格納庫…体育館の方へと向かった。


***


体育館へと続く廊下の途中で、動く気配を感じて後ろを歩くカナタに行軍停止の合図を送る。

雨も手伝って廊下に暗く日が入っている。
目を凝らしてみると3mほど前方に黒い人影が見えた。

「……ここは軍の基地なわけだが……何をしているんだ?」
「……」

問いかけに影は無言を返した。
どうも、教会の子供たちとは違うらしい。
だけど、町にこんなやつ、いただろうか。

「何をしているんだ、と聞いている。軍の基地に許可無き者は立ち入り禁止だ。出て行ってもらおう」
「……に……」
「……?」

影は口を開いた。
くぐもったその声からは男なのか女なのかも判断することが出来ない。

「ここに、多脚戦車があるだろう。この先にあると思うが、それを貰い受けに来た」
「……は?」

突然の物言いに言葉が理解できない。
その間に、相手は3mの間を詰めていた。
目前に迫る姿は、暗い日の光に照らされてなお、黒い。黒ずくめだ。

「……っ」

すんでのところで振り上げた足の軌道を避けると、すぐに距離を取る。

―こいつ、やる気だ―

廊下に手を付いて、姿勢を低くする。
どんな行動を起こされても動けるように。
たらり、汗が垂れた、そのときだった。
ぐっと、筋肉が収縮する気配がして、相手が行動に移ったことを知る。
一瞬後、敵は私を通り過ぎ、無防備だったカナタへと迫った。

「……え!?」

自分の方に来るとは予想だにしなかったのだろう。
いや、先ほどから言葉を発していなかったカナタが事態を把握しているとも思えなかった。

「カナタ!」

振り返り、呼んだ時には遅かった。

ガツンッ

廊下の側壁にカナタは叩きつけられてずるり、と力なく倒れた。

「貴様……」

ふつふつと怒りが湧く。
相手に対してだけではない。
油断していた、自分自身に対しても。

「……」

あくまでも無言で私のほうへと向き合った黒ずくめに隙はない。
しかし、臆することなく、腰のホルダーから拳銃を取り出す。
こいつは、やる気だ。
ならば、私も…本気を出さなくては。

じり、じり、と見合ったまま身を焦がすような時間が過ぎる。

相手の出方を窺っていたそのとき、私の背後……体育館からガガガ、という機械音が聞こえた。

瞬間。

相手に生まれた隙を私は逃さなかった。
一気に距離を詰めて、腕を逆ひしぎにし、銃を突きつけると、黒ずくめの動きが止まった。
これで引き金を引けば、状況はすべて終わる。

……はずだった。

だけど、私は射撃訓練をやっていたのであって、人を撃った事なんて1回もない。
ためらいが生まれ、それが相手へと伝わる。
その瞬間に黒ずくめの体が跳ねた。
バネのようにしなやかに伸ばされた足が私の手の甲をしたたかに打つ。
その衝撃に手にしていた拳銃は地面を転がった。
痛みに手を押さえるも、すぐに頭を巡らせると、目前に私が持っていたはずの銃口があった。

形勢逆転。

現状をあまりにもうまく表す言葉が頭をよぎる。
きりきり、と撃鉄を起こす音がして、相手が本気なのだと知る。

「くっ……」

ここで終わり、か……。

でも、私はどこかで安堵していた。
人を殺さずにいられた、ということに。
私の手は喇叭手としての手のままでいられた。
ゆっくりと瞼を閉じ、その瞬間を、待つ。

どごぉぉぉ

これで死んだかな、そう思ったときだった。
拳銃の銃声にしては重く大きい音に目を開く。
多脚砲台、タケミカヅチ。
壊れて、立てなかったはずのこいつは、乃絵留とカナタの尽力あってか、今、私の目の前にそびえ立っていた。

「これ、は……」

思わずひねり出した声にタケミカヅチが答える。

「梨旺、あなた死ぬつもり?」
「フィリシア……?」
『あぁ、もう、フィリシアさん、乃絵留にハンドル返してください!』
「……暮羽」
「あ、ごめんごめん」
『梨旺さん、無事?』
「乃絵留まで……」

多脚砲台には買出しとして出たはずの面々が乗っているようだ。
早く補給が済んで戻ってきていたらしい。

「通信士として乗車してもらいたいのは山々だけど…今はとにかく、カナタちゃんを連れて安全なところへ! ……多分、今回はあなたの出番はないわ」

私たちがつぶすから、と言外に怒気をはらませながらもフィリシアが微笑んでいるのが目に浮かぶ。
タケミカヅチは私たちから黒ずくめの方へ目線を移動させると、戦いへと移った。
ここにいてはフィリシアの、タケミカヅチの邪魔になってしまう。
私は気絶したままのカナタに肩を貸すようにしてその場を後にした。



***



「ここまでくれば大丈夫か……」

一人ごちるとカナタをその場に横たえた。
ずっと気を張っていたからか、思わず膝が崩れてカナタの傍らに尻をつく。

「対人は初めてとはいえ……情けないことだ」

震える手のひらを握りしめてため息を付く。

夢中で逃げてきたわけだが、ここは……教室か?
かつては整然と並んでいただろう机は方々、不規則に置かれていた。
風雨にさらされていたからだろうか、色あせた教科書も所々に落ちている。
壊れた壁の向こう側にはバルコニーのようなものが広がっていて、そこから夕日が教室中に降り注いでいた。

「……綺麗だな」

あんな戦闘があったなんて嘘のように美しい光景だった。
思わず喇叭を持って立ち上がり、バルコニーに出た。

(to be continued...)

というわけでソラヲトSSの中、でした。
続きは近いうちに出来上がったら!
アニメをさらりと見るだけでは拾いきれていない設定とかが多すぎて…だから早く設定資料集をry




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