2009.12.22 (Tue)

エーリカ×ウーシュSS『Gemini』

ストウィチバトン、やってくださった方、ありがとうございます(*´Д`*)!
作り手向けの内容なのでもう少し答えやすいものを、というご意見をいただいたので、今度時間があるときにでも作ってみようと思います。
「こんな質問あったら良いな」とかあったら教えてください(`・ω・´)


そんなこんなで今日はやっと、SS更新。
先週まで4本同時進行という無謀なことをやっていたのですが(笑)、それは無理だとやっと気づいて1本に絞って書きました。
今日は1年で「2」が一番付く(正確には2月22日も)日、ということで(どういうことでw)エーリカとウーシュのSSです。ほ、ほら、双子的な意味で…(めちゃくちゃ)。
真綾さんのとある曲も内容にちょっと入ってます。

続きからどうぞ!拍手返信は文末になります。
【More・・・】





これは小さい頃のお話。
私とウーシュがまだ一緒に住んでいて、
一緒に遊んで、勉強した、あの暖かい家にいた頃の話。



『Gemini』



その日、学校で習ったのは星の話だった。
ネウロイとの戦争が少しずつ激化してきた中、星の勉強をしてどうなるんだ、そう言われそうな時代だった。
だけど、その先生は「こういったことを勉強することこそが君たちには必要だし、こういう暖かい気持ちをどうか忘れないで欲しい」そう言ってがんとして星の授業を敢行した。


星にはそれぞれ名前がついている。
ふたご座、という名前の星座があることを知って、思わず普段取らないノートに走り書きした。

ふたご座。

私達にぴったりじゃないかと隣の席のウーシュを見たら真剣な表情でノートにメモを取っていた。
ふたご座はどんな形で、どんな色で瞬いていて、どの方向に見えるのか。
あまりにも真剣に取っているものだからその姿に見惚れてしまった。
どうしてウーシュは星の勉強なんかにこれだけ真剣になれるのだろう、と。
ウーシュが真剣になるのは星の話だけじゃなかったけど。
まぁいいや、また試験の前にはノートを写させてもらおう、と一人勝手に決めると、窓際の自分の席からそれとなく窓の外に大きく広がる空を見た。


―今日も青いなぁ―


冬の空はどこか淀んでいて、どこか澄んでいる。
不思議な空だ…雲もないし、今夜は晴れかな。
こんな空を飛んだら気持ちがいいだろうなぁ。
そう考えていたら、

ぽん

近くまで来ていた先生に頭の後ろを教科書で叩かれた。
いい笑みだった、トゥルーデも私を叱る直前の、怒りを我慢する顔はこんなかもしれないな、なんて、まだトゥルーデに会っていなかった当時の私は思いもつかないことだった。



***


「姉さまが悪いんですよ、授業中に余所見なんてするから」

その後、こってりと叱られた私を図書館で待っていてくれたウーシュと帰路につく頃には街は夕方から夜へと姿を変えようとしていた。

「あははは」
「……」

笑う私にウーシュは少し大げさにため息をついてみせる。

「だいたい姉さまは…」

息を吸い込んで……まずい、これは説教モードだ、もう説教はたくさんだ、と言葉をさえぎることにした。

「それよりさぁ、ウーシュ。空を見てごらんよ。今日習った星の勉強が役に立つかもしれないよ」
「……はぐらかされた気がします」
「そんなことないない。ほら、オリオン座はどこかなー? ふたご座、って言うのも気になるよね」
「……一応授業は聞いてらしたんですね」
「まぁね」

そう言って歩きながら空を見上げる私につられてウーシュも空を見上げた。

「確か……授業ではこの時間は……」

背中に背負った鞄からノートを取り出してウーシュは星座の位置を確認し始めた。
真面目なやつ。
そんな復習なんてしなくても自分で探してみればいい。
星と星とを線で結んで二人で勝手に星座の名前を作ってしまうのも面白いかもしれないね。
あれはウーシュの星、それでその隣は私の星ね、とか言っちゃってさ。

腕を肩の後ろで組んでぼんやりとそんなことを考えていたら、ノートに夢中になっているウーシュは段々と遅れてきた。

仕方ないなぁ、とくるり、とウーシュの方を振り向いて、でも後ろ歩きで進むのをやめないでいたら、ウーシュの頭上に三ツ星が見えた。


―三ツ星は確か、オリオンだったな―


少し目を転じるとふたご座らしき星の並びも見て取ることが出来る。
ウーシュってば、後ろ向けば気づくのになぁ。


―ウーシュ、後ろ見てごらん―


言いかけてやめる。
あまりにも君が必死に探しているから。
やがて、ウーシュはくるり、と後ろを向いて指を指した。

「見つけました」

いつも冷静な君の声が少し弾んで聴こえた。

「本当だー」

よかったね、そんな気持ちで言ったのに、ウーシュは冷静に戻り、振り返って私を見た。

「姉さま、もしかして気づいてました?」
「ううん、私、授業聞いてなかったし、どれがふたご座か分からなかったよ」
「……それもそうですね」

あっさりと納得されるとちょっと切ない。
でも、私の嘘は幸せのための嘘だから、許されるよね、と自分で自分を許して笑う。

「さぁ、帰ろう。お母さんとお父さんが待ってる。今日のご飯は何かな」

そう言って歩き出したけど、ウーシュは立ち止まったままだ。
どうしたの、と振り向くと、ウーシュはまだふたご座を見上げていて、唐突に言葉を発した。

「姉さま。知っていますか、ふたご座の神様の話」
「……私が神話なんて知ってると思うの」
「それもそうですね……」
「そんなに納得されると傷つくよう」

私の言葉にくすり、と笑うとウーシュはなおもふたご座を見上げて語りだした。

「ふたご座はギリシア神話に出てくるゼウスの双子の息子…カストールとポリュデウケースが星座になったものなんだそうです。ゼウスの息子というとどちらもが神様だと思いがちですが、カストールは人間、ポリュデウケースは神様でした。カストールはいずれ死すべき運命にあったのです」
「……それで?」

私は先を促す。
さっき、私を待っている間に調べていたのだろうか。

「……ポリュデウケースはさらに偉い神様に頼んで、自分の不死性をカストールと分け合って…今もどこかで幸せに暮らしているんだそうですよ」

そう言って、ウーシュは穏やかに微笑んだ。
理論的な考えが多いこいつが神話の話をするなんて珍しい。

何でそんな話をするの、とは聞かなかった。
カストールは兄弟のうちどっちだったの、とも聞かなかった。
そんな神話がなくとも、私はウーシュが死んじゃって私が生き残るなんて考えられない。
ウーシュになら、半分といわず、全部をあげる。
でも、そうしたら、ウーシュは怒るだろうな、勝手なことをするな、って。
だからさ、こんな明日も知れない世界だけど、一緒に生きよう。

黙って私はウーシュの手を握った。

大丈夫だよ、一緒に、生きようね。

ウーシュも手をひかれるままに歩き出した。
空はただ広くて、授業で習ったはずの星はノートに収まりきらない圧倒的な大きさを見せていた。



***



そして今の私も、やっぱりふたご座を見上げている。
オリオン座のベテルギウスをたどって、平行に並んでいるのにどこかつながっているその星を。

ブリタニアの空はカールスラントと変わらない。
きっとスオムスとも変わらないよね。

今は遠く離れてしまったけど、きっと君もこの星を見ている。
そう思うと心が暖かくなれるんだ、勇気をもらえるんだ。

迷ったときに、悲しいときに、嬉しいときに、
私はふたご座を見上げる。

ねぇ、私はちゃんと立っているよね。
前を向いているよね。
今日はこんなことがあったんだ。
トゥルーデったらね、おかしいんだ。

語りかけると、星は答えをくれないけど、勇気付けられる。
きっと、あのとき一緒に空を見た君の顔が浮かぶから。

君は知っているかな、こんな風に私がふたご座を見ていることを。
知らなくてもいいよ、ただ、君がこの同じ空の下にいるだけで心が温かくなれるんだから。


(fin.)


というわけでエーリカとウーシュの双子SSでした!
小さい頃、授業で星座について習った後、帰りに空を見たらその大きさに圧倒された覚えがあります。
ふたご座の話はオリオン座との位置関係を調べていたら偶然見つけたものだったりします。
感想ありましたらお願いします!





拍手返信です!

ワルスキーさん
一回ワルスキーさんが「ストウィ」って略しているのを見て、「あぁ、そういう略し方もあるな!」と思ったことがありますw
そっか…ストパンがメジャーなんですか、、私の周りはわりとストウィチ、が多かったのでなるほど、という感じです。
好きキャラ3人が被っただって…やったぜ、ナカーマ(*´Д`*)!!!

以上、ゲルトの耳&しっぽを買うべきか悩んでいるじぇっとでした、コメントありがとうございました!
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22:42  |  SW SS  |  トラックバック(0)

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