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2009.01.18 (Sun)

カールスラントSS『かけがえのない、君たちへ』

ずっとずっと暖めてきたカールスラントSSをやっとこさUPします。
あ、暖めすぎてどうにかなってそうな…(爆)。
内容としては、宮藤の独断専行が原因で501が散り散りになるあたり。
ファンブックの内容をあまり確認できてないので、事実と違っても、き、気にしないでもらえるとありがたく…!
そうでなくても自分でもつっこむところがry

…ちなみに今回のSSは盆さんの絵から書かせていただきました!
前は私のSSから絵を描いてもらったので、その逆ですね。
許可をいただいたので、貼りますね、続きからどうぞ!
【More・・・】


『かけがえのない、君たちへ』


宮藤が独断専行したことにより、501は解散、隊員はそれぞれ原隊へと戻ることになった。

それでもミーナとエーリカはまた同じ隊になるから、原隊に戻される車の旅もまた、一緒だ。
がたがた揺れる車のドアに頬杖をついて眺める、青いブリタニアの空は、どこか隔絶された気分にさせられて、さらにはその空を飛行機が横切ったりしたものだから、私は気分が悪くなった。


飛行機は同じ空を航行するものでも、自分の思い通りにならないところが嫌いだった。
さらにはこれからのことを思うと、気が滅入った。


-なぜこんなに気が滅入っているんだろう-


カールスラント軍人としてあるまじき、ではないか?
戦えることには変わりはないのだから。
このもやもやした気持ちを分析しようとしたが、すぐにやめて、代わりに窓を思い切って開けた。
そこには窓を通さない、私たちの空が広がっていた。
思い切り新鮮な空気を吸い込んで、そのあまりにも綺麗な青に、この青を共に飛んでいた仲間を思い出す。

坂本少佐。清廉潔白な人物で、豪快な立ち振る舞いは見習うべきところがあった。
リベリアン…いや、シャーリー。同じ階級なのに余りのずぼらさに閉口したものだ。
そうして全員を思い返していくうちに、口の端から笑いが漏れた。


「トゥルーデ、何笑ってんの、気持ち悪い」

その声に車内へと視線を転じると、苦笑いを浮かべているエーリカと、薄く微笑んでいるミーナがこちらを向いていた。
「気持ち悪いとは何だ」
小さな声で抗議して、それで大事なことに気づいてまたふっと笑ってしまった。


-大事な人たちを、忘れていた-


この2人のことを。
私がさらに笑ったのを見てエーリカとミーナは顔を見合わせて肩をすくめた。

この2人はずっと一緒だった。

カールスラントが落ちたときも、
ブリタニアに撤退する作戦のときも、
常にそばにいて、共に戦ってきた。

そうして思いをめぐらせていると、しばらくして少しこじゃれた家の前で車が止まった。
今日はここで休憩するということだろうか。
車を降りると、空が橙をはらみ始めていることに気づいた。


-あぁ、あの時も綺麗な夕暮れだった-


宮藤に助けてもらったときのことを思い出して、目の上にひさしを作って夕日を眺めた。

「トゥルーデ、置いていくよー」

家のドアの方からエーリカが声をかける。
今行く、と言ってきびすを返すとドアの際に立っているエーリカと目があった。


-あの日のエーリカはひどい顔をしていたもんだ-


思い返して、またふっと笑ってしまったのを見てエーリカは「またー?」と、心底気持ち悪そうな顔をした。





あの頃、私は、この世界全てを守ろうと、守ることができる、と思っていた。
完全な傲慢だった、と気づいたときにはクリスを失いかけていた。
手の届く、目の前にいる大切な人さえ守れない無力さにふさぎ込んだときも、自暴自棄になったときもある。
そのとき、いつも側にいて支えてくれたのはこの2人だった。

ミーナは何も言わず、側にいてくれた。
エーリカは何か言いたそうに、それでも側にいてくれた。

それぞれの形で、助けてくれていたんだ。
宮藤に救われたあの日から、世界は開けて見えて、こんな大切なことを見落としていた自分に気づいた。
恥じると同時に嬉しかった。
助けてくれるみんながいること、そしてそれに気づいて変われた自分が嫌いじゃないこと。
世界はこんなにも、光に満ちていると気づけたこと。


***


夕食が終わり、食後のコーヒーをリビングで飲む。
私たち3人は無言でいた。
ふと前後に揺れている気配を感じてそちらに視線を転じるとミーナが船をこいでいた。


-無理もない。宮藤が独断専行をしてからこちら、ミーナは一睡もしてないのだから-


いくらこんな状況だからといって、寝るな、というのは酷だった。

「トゥルーデ」
ちょいちょい、とエーリカが肘をつつく。
「わかってる」
私はミーナをそっと抱き上げると、寝室へと向かった。


月明かりに映し出されるベッドの上で眠るミーナの顔は白く、疲労が見て取れた。
冷たいんじゃないか、ふと思い浮かんだ疑問に私はベッドの端に腰掛けると、ミーナの顔をなでるようにして手の甲を伝わせた。
伝わる熱に安堵のため息をもらすと、手近にあった毛布を掛けた。
しばらくミーナの寝顔を見つめる。毛布のためか先ほどよりも朱が差した頬に再び手をやる。
あどけない寝顔は、隊長としてではない、友としてのミーナを見せていて、なぜか胸が締め付けられた。
耳元に唇を寄せて、愛してるよ、と母国語に乗せて伝えると、私は部屋を出た。


リビングでは、私が入ってきた扉から背を向けるようにしてエーリカが座っていた。

先ほどまでのミーナに対する気持ちを引きずる。


あぁ、こんなにも大切な人たちに私は囲まれている。
大好きだよ、大好きなんだ。
今だってほら、おまえの後ろ姿を見ていて、胸が締め付けられる。
でも言葉にできなくて、私はエーリカの座るソファに近づいて、後ろからエーリカを抱きすくめた。


エーリカは少し驚いた表情をした後、しかたないなぁ、という笑みを浮かべた。

「大きさがクリスと瓜二つだった?」
もうちょっと私のほうが大きくない? 笑いながら言う君に何も言えず、ただ抱きしめる腕に力を込める。

「どうしたの……?」

276.jpg

不審に思ったのかエーリカの手が私の顔に伸ばされた。
見上げる君の顔に、さらに切ない気持ちがこみ上げた。

「泣いてるの?」
「泣いてなんか、いない」
「……」

ただ、好きだ、と言えない自分がもどかしい、それだけなんだ。


だから私は、大好きな君たちと、君たちだけじゃない、もっと増えた大切な人たちと再び空を飛ぶために。

どんなことでも、しよう。

(fin.)

というわけで、カールスラント組のSSでした!
ミーナは、さすがにこの局面で寝ない気がする、とか、いろんなところでどう展開したらいいか迷ったんですが、とにかく書きたかったことは、エーリカとミーナを大切に思っているゲルトさんなんです><
伝われば幸いです。

最後に、盆さん、SSを書かせてくれてありがとうございましたっ!!

↓コメントありましたらどうぞー!↓


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