2007.07.26 (Thu)
刹那SS『そして、希望の黒…』
日があいてしまいましたが、刹那のSS後編をUPしたいと思います!
前半を読んでから読んでいただけると嬉しいです!
前半は烏族の村の話でしたが、今回、後編は一気に現在に時が移ります
では、続きからどうぞ!
-…ちゃん
…誰?
-せっ…ん
…呼んでる?
-せっちゃん
…私の、ことを?
目を開くとそこには光が広がった
『そして、希望の黒…』
「せっちゃん、起きた」
そう、私のことを『せっちゃん』と呼ぶのはこの人だけ…
私が、お守りすると決めた人…
誰もいない教室で、
自分が寝てしまっていたことに気づいて、あわてる
「す、すいません、お嬢さま!」
「ええよ、そんな…
疲れてたんやろ」
「すいません!」
平謝りする私にくすりと笑う気配がして、ええのにという言葉が優しく自分を包み込んだ
ぎくしゃくと歩き出して、寮への帰路につく
「何でそんなにぎこちないん?」
おかしい、とほほえむその顔を心の底から愛しく感じる…
「い、いえ、その…」
言いよどむ私の顔をお嬢さまがのぞき込む
「またなんか身分が~とか、言うん?」
「…」
「考えすぎなんよ、もっと…楽にしたらええのに」
しばらくの沈黙のあと、私は重い口を開いた
「私は…本当に、ここにいていいのでしょうか?」
-一度知ってしまったぬくもりを失ってしまうくらいなら…
ぬくもりなんて知らない方がよかったかもしれない
夢なんて見させないでください
あとで苦しくなるから…-
無言でいるお嬢さま…
怒っていらっしゃるだろうか…
「すいません、こんなこと言ってしまって…でも、たまに苦しいんです」
そう言って私はうつむいた
うつむく私の顔をお嬢様はのぞきこみつつ言う
「…せっちゃん、泣きたいん?」
「…え?」
驚いて顔を上げる
「そういう顔、しとるから…」
「そんなことは…」
「肩の力、抜いて?
泣きたいときは泣かなあかんよ?」
「…。でも…」
私は目線をさまよわせ、周りをうかがう
「まわりなんて気にせんと
苦しいときこそ、声上げて泣いたらええ
せっちゃんはいつも気を張りすぎなんよ」
そういって抱き寄せてくれたお嬢さまの温もりは優しくて…
ぽろり
こぼれた涙は止めどなく、しかし静かに、流れる
「す、すいませ…」
あわてて拭おうとする私の手を遮って、お嬢さまは私の頭に優しく手を添え、さらに抱きしめた
視界を覆う、暖かな黒…
お嬢さまの、髪の色…
ただただ泣くことしかできなくて声も出さずに泣いた
-ここにいて、いいですか?
笑っても、いいですか?-
私の思いに応えるかのようにぽん、ぽん、と私の頭をお嬢さまがたたく
声はでなくとも…
きっと私の声は響いてる
私の中で…
お嬢様の中で…
-ずっと苦しかった
泣いちゃだめだ
我慢しなきゃだめだ
そう言い聞かせて生きてきて…
でも今、
私を包み込む暖かな黒は私に泣いていい場所を与えてくれた
いつか、心の底から笑えるであろう場所を…
きっとあのころ一人で描いた夢は目の前に…
(fin.)
刹那のSSでした!
ちょっと中盤が急展開ですいません(汗)
感想などなどありましたらお願いします!↓
あ、拍手文ついてますw
【拍手返信】
18日
>23:33 まだ最後まで読んでないのに
23:34 グッときてしまいました・・・
23:35 何というか・・・
23:37 ・・・せっちゃん(゜-Å) ホロリ
23:38 訳の分からない感想ですみませんwww
まずは…遅くなってしまいすいません!!
ぐっと来ていただいたとか…光栄です…!!
せっちゃんはきっと辛い思いをして生きてきたんだろうな…
なんて考えて書いたらなんか辛いことに…
わけわからなくなんかないです!!伝わってきますよ…!!
拍手、ありがとうございます!!!
21日
>1:11 盆さんサイコー!
1:11 でもじぇっとさんもサイコーなのを見逃す筈がありませんってw
1:12 絵と文、どちらもサイコーだから幸せな気持ちになれました
1:13 亜子とアキラ可愛いですw
盆さんは最高ですww
わ、私の文なぞ…で、でも、そう言っていただけて嬉しいです!!
ありがとうございます!!
亜子アキもいいですよね…ww
前半を読んでから読んでいただけると嬉しいです!
前半は烏族の村の話でしたが、今回、後編は一気に現在に時が移ります
では、続きからどうぞ!
【More・・・】
-…ちゃん
…誰?
-せっ…ん
…呼んでる?
-せっちゃん
…私の、ことを?
目を開くとそこには光が広がった
『そして、希望の黒…』
「せっちゃん、起きた」
そう、私のことを『せっちゃん』と呼ぶのはこの人だけ…
私が、お守りすると決めた人…
誰もいない教室で、
自分が寝てしまっていたことに気づいて、あわてる
「す、すいません、お嬢さま!」
「ええよ、そんな…
疲れてたんやろ」
「すいません!」
平謝りする私にくすりと笑う気配がして、ええのにという言葉が優しく自分を包み込んだ
ぎくしゃくと歩き出して、寮への帰路につく
「何でそんなにぎこちないん?」
おかしい、とほほえむその顔を心の底から愛しく感じる…
「い、いえ、その…」
言いよどむ私の顔をお嬢さまがのぞき込む
「またなんか身分が~とか、言うん?」
「…」
「考えすぎなんよ、もっと…楽にしたらええのに」
しばらくの沈黙のあと、私は重い口を開いた
「私は…本当に、ここにいていいのでしょうか?」
-一度知ってしまったぬくもりを失ってしまうくらいなら…
ぬくもりなんて知らない方がよかったかもしれない
夢なんて見させないでください
あとで苦しくなるから…-
無言でいるお嬢さま…
怒っていらっしゃるだろうか…
「すいません、こんなこと言ってしまって…でも、たまに苦しいんです」
そう言って私はうつむいた
うつむく私の顔をお嬢様はのぞきこみつつ言う
「…せっちゃん、泣きたいん?」
「…え?」
驚いて顔を上げる
「そういう顔、しとるから…」
「そんなことは…」
「肩の力、抜いて?
泣きたいときは泣かなあかんよ?」
「…。でも…」
私は目線をさまよわせ、周りをうかがう
「まわりなんて気にせんと
苦しいときこそ、声上げて泣いたらええ
せっちゃんはいつも気を張りすぎなんよ」
そういって抱き寄せてくれたお嬢さまの温もりは優しくて…
ぽろり
こぼれた涙は止めどなく、しかし静かに、流れる
「す、すいませ…」
あわてて拭おうとする私の手を遮って、お嬢さまは私の頭に優しく手を添え、さらに抱きしめた
視界を覆う、暖かな黒…
お嬢さまの、髪の色…
ただただ泣くことしかできなくて声も出さずに泣いた
-ここにいて、いいですか?
笑っても、いいですか?-
私の思いに応えるかのようにぽん、ぽん、と私の頭をお嬢さまがたたく
声はでなくとも…
きっと私の声は響いてる
私の中で…
お嬢様の中で…
-ずっと苦しかった
泣いちゃだめだ
我慢しなきゃだめだ
そう言い聞かせて生きてきて…
でも今、
私を包み込む暖かな黒は私に泣いていい場所を与えてくれた
いつか、心の底から笑えるであろう場所を…
きっとあのころ一人で描いた夢は目の前に…
(fin.)
刹那のSSでした!
ちょっと中盤が急展開ですいません(汗)
感想などなどありましたらお願いします!↓
あ、拍手文ついてますw
【拍手返信】
18日
>23:33 まだ最後まで読んでないのに
23:34 グッときてしまいました・・・
23:35 何というか・・・
23:37 ・・・せっちゃん(゜-Å) ホロリ
23:38 訳の分からない感想ですみませんwww
まずは…遅くなってしまいすいません!!
ぐっと来ていただいたとか…光栄です…!!
せっちゃんはきっと辛い思いをして生きてきたんだろうな…
なんて考えて書いたらなんか辛いことに…
わけわからなくなんかないです!!伝わってきますよ…!!
拍手、ありがとうございます!!!
21日
>1:11 盆さんサイコー!
1:11 でもじぇっとさんもサイコーなのを見逃す筈がありませんってw
1:12 絵と文、どちらもサイコーだから幸せな気持ちになれました
1:13 亜子とアキラ可愛いですw
盆さんは最高ですww
わ、私の文なぞ…で、でも、そう言っていただけて嬉しいです!!
ありがとうございます!!
亜子アキもいいですよね…ww
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2007/07/26(木) 23:00:33 | 楓の箱リロLive対戦日記
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