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2008.11.26 (Wed)

エーゲル コラボ『空も飛べるはず』

最近、PCを変えたせいで、まだキーボードに慣れていなくて、変なとこ押してはむきーっとなってます(笑)。
微妙に前のより大きいからEnter押すつもりが」になるんです、うがあ!

と、前置きはさておき…。
先日、盆さんが私のSSに絵をつけてくれましたw
絵とSS両方を続きから載せておきますが(SSは修正&再掲)、絵だけ見たい、という方はこのリンクから飛んでくださいw

11月24日の絵ですよー!
それでは、続きからどうぞ!
【More・・・】
『空も飛べるはず』


初めて、というのが誰にでもあって。
今はエースだ黒い悪魔だと言われる私だけど、初めて空を飛んだ日は散々だった。


初めて飛んだとき、私は2番機として飛んだ。
1番機はゲルトルート・バルクホルン-トゥルーデはすでにエースの頭角を現し始めた頃だった。


「今日は、私の2番機として飛んでもらう。よろしく頼む、ハルトマン」


そう言って手を出す仕草、ぱりっとした軍服が周りのカールスラント軍の駐留地とよく合っていて、この人は根っからの軍人のようだ、というのが私のトゥルーデに対する最初の印象だった。


「よろしくお願いします」

今となっては階級の別なく「トゥルーデ」「フラウ」なんて呼んでいるのだから、今、このときのやりとりを思い出すとあっはっは、と笑い飛ばしたい気持ちに駆られる。


それは置いといて。
私は実際、自分の1番機が誰であろうと関係なかった。


―敵を、倒すんだ。
唯一残った家族、ウーシュを守るために―


この気持ちだけが、私の心を占めていた。

「ゲルトルート・バルクホルン、出るぞ」

その言葉にはっと意識を戻した。

大丈夫、訓練ではうまく飛べていた。できる。やるんだ。


「エーリカ・ハルトマン、出ます」
私はトゥルーデに続き、轟音を響かせ、空へとあがった。



***



「いいかハルトマン、2番機は1番機の軌道をなぞるようにして飛ぶのが基本だ。
もしも私を見失うことがあれば、インカムを通じて連絡すること。駆けつける」

訓練場で何度も聞かされたことのある言葉に曖昧に返事をすると、空へと視界を凝らした。


青い。
どこまでも広がる、この美しい空から奴らは来たんだ。
ぎり、奥歯に力が入るのを感じた。
黒い、点を見つけたから。


「敵、発見! 行くぞ、ハルトマン」
「了解」

短く返事をすると私はトゥルーデの後に続いた。




「うおぉぉぉ」
トゥルーデが両手に携えたMG42で敵を撃つ。
そのかけ声とは裏腹に、敵にはつっこんでいかず、冷静に距離を取って戦っている。
中距離射撃では命中率が下がってしまいそうなものだが、トゥルーデは他のウィッチの追随を許さないような命中率を見せていた。

一方で私はというと。

「くっ」

初めて空で戦っているのだ、エースと並んで高度な中距離射撃など、当たるはずもなく。

「なんで当たらないんだ…!」

薬莢を吐き出す爆音の合間に叫んだが、弾は一向に当たる気配を見せなかった。

「こんなんじゃ…こんなんじゃ、ウーシュを守れない!」

敵を倒したい一心で、私はトゥルーデの前へ出た。


『2番機は1番機の後ろを追え』


この言葉は完全に忘れ去っていた。

「ばか、前にでるな!!」
トゥルーデの声が耳に届いた頃には、目の前にネウロイの赤い光線が見えた。


「うあっ」



とっさに身をよじり、光線を避けたが、そのままバランスを崩して落下する。
体勢を立て直したときには視界には何も捉えられず、どちらに向かえばいいのかわからない。


ネウロイはまだ生きているはずだ。
どこから攻撃されるかわからない状況に、緊張から息が荒くなった。



―どっちだ。どっちから来る……―



はっはっ、という私の声の他に、キーンという機械音が聞こえ、私は……敵に向かうどころか、恐怖から逃げた。


『ハルトマン! 落ち着け!! 今向かっている!』

トゥルーデの声が聞こえたが、目下、後ろについている敵を振り切らなくては。
さらにスピードを上げるが、急に視界がかすみ、虚脱感におそわれた。
初めての戦闘、長時間に及ぶ飛行……魔力を使い果たしてしまったのだ、とわかった時には私の視界は逆転し、めまぐるしく流れていく景色を最後まで見ることなく、意識は暗転した。

『ハルトマン!』

遠く、トゥルーデの声が聞こえた気がした。






***



「……っ!」

目を覚ました私の視界に飛び込んできたのは星が瞬く夜空だった。

「気がついたか」
横になっている私の隣にはトゥルーデが座っていた。


「……」


瞬時に悟った、私は墜ちたのだと。それも…1番機を敵機と誤認し、逃亡して墜落した。
無傷のところをみると、大方トゥルーデが助けてくれたのだろう。
自分のふがいなさに腕で視界を封じる。すると、てっきり怒声をあげると思っていたトゥルーデの声が耳に優しく聞こえた。

「戦うのが、怖いか」
「……っ」

その言葉に視界を封じていた腕を取り払い、上半身を起こして私はトゥルーデを見た。

「そんな顔をするな」
トゥルーデは苦笑いをすると視線を焚き火へと移した。

「初めて飛ぶのなんてそんなものさ、私も初めての時は何もできないまま墜ちた」
「……」
なおも無言でトゥルーデを見つめる私を今度はきちんと見据えた。

「なぁ、ハルトマン、おまえは何のために飛ぶんだ?」
「……」

「守りたい人がいるんだろう?」
「…はい」

「……人を守るにはたくさんの方法がある。戦場じゃなくてもいいと思うんだ、だから」

一呼吸おいて、真摯な表情でトゥルーデが私の手を取った。


272.jpg


「死にたくなければ、国へ帰れ」
「……!」

すっ、その真剣な表情が崩れる。

「守りたい人が、待っている人がいるんだろう?」

言葉とは裏腹に優しい声音に何も言えずただ黙った。




夜の静寂に鈴虫の音が響くだけ、そういうときが幾ばくかすぎて。
私は重く口を開いた。

「バルクホルンさんは、」
「トゥルーデでいい。優れたパイロットに対しては階級が下であろうと敬意を払う」
「優れたパイロット…私がですか?」
「そうだ。確かに命令違反は禁則事項だが、ネウロイの攻撃を避けるときのとっさの動きは目を見張るものがあった」
真面目にいうものだから、やっぱりこの人は根からの軍人だ、とかすかに笑う。

「それで、なんだ?」
「トゥルーデ…は何故戦ってるの?」
「……お前と同じだよ、守りたい人がいる」
ほら、とトゥルーデが懐から出した写真にはトゥルーデとかわいらしい女の子が並んで写っていた。

「妹だ」
「……」
―この人も、

「妹を守るために、私は戦う」

―同じだ、

「唯一残った、私の家族だからな」

―この方法でしか、守れない、そんな、

「不器用だから、この方法しか思い浮かばなかったんだ」

そう言って笑うトゥルーデに泣きそうになった。



―改めて思う。この人も、同じだ。私と同じ痛みを抱えている―


そうして、私はさっきのトゥルーデの笑顔を思い返す。


―そうだ、この人にはああいう顔がよく似合う。根からの軍人だ、と思った私はどうかしていたのだろう―


「だから私は飛び続ける」


そう言って、私を見据えた決意のともる目を、私は一生忘れない。
僚機を、この人を、絶対に落とさせたりしない。妹を大切に思う、笑顔がこんなに似合う人を、戦わせては、いけない。


でも、彼女は飛ぶのだろう。
それしかできない、と生真面目な顔をしながら。
ならば、私はその背中を守る。
まだひよっこな私だから、まだまだ、伝えることはできないけれど。
気づいたら、今度は私がトゥルーデの手を握っていた。


伝われ、伝われ、
そんな思いを込めて握る。


トゥルーデは一瞬驚いた表情を浮かべた後、何がわかったのか、ありがとう、と小さく呟いた。


そう、これが私が初めて空を飛んだ日。
もう一つの私の戦う理由が出来た日-

(fin.)


というわけで、盆さんが素敵な絵をつけてくれました!
こうしてコラボできるってすごくいい経験になります…盆さんありがとう!




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